じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

連城三紀彦「夜よ鼠たちのために」

2019-12-12 18:47:42 | Weblog
☆ 連城三紀彦さんの「夜よ鼠たちのために」(宝島社文庫)から表題作を読んだ。

☆ 不幸な境遇の少年、養護施設に預けられるが、誰にも心を開けない。心を許せるのは、たまたま捕らわれていた鼠だけ。しかし、その心の友が、無残にも殺されてしまう。

☆ 少年は犯人にナイフを向ける。大人たちに制せられるが、言葉を発しないため彼の心を誰も理解できない。彼は病院に収容され治療を受ける。その結果、穏やかになるのだが、それは仮の姿だった。

☆ 成人した彼はある出来事をきっかけに、再び復讐を企てる。


☆ 何度もどんでん返しがあり、話者も変わるので、じっくり読まないと混乱する。

☆ サイコパスの犯罪と言ってしまえばそれまでだが(被害者の家族にとっては同情の余地はなかろう)、それだけで終わらない悲しさを感じる。
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