じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

乃南アサ「凍える牙」

2020-10-16 19:42:59 | Weblog
★ 乃南アサさんの「凍える牙」(新潮文庫)を読んだ。ベテランの男性刑事と若い女性刑事とのやり取りが面白かった。

★ 物語は劇的に始まる。ファミレスの客が発火したのだ。続いて、人が犬にかみ殺されるという事件が立て続けに起こる。目撃者の証言から、どうやら普通の犬ではなく「オオカミ」ではないかと思われた。誰かが意図して「オオカミ」を調教し、凶器に仕立て上げたのか。

★ 白バイに乗っていた音道貴子巡査も捜査に加わる。しかし、そこはパワハラ、セクハラ横行の男社会、そして相棒は、その権化のようなオヤジ、滝沢。貴子は最初、口を聞いてもくれなかったが、次第に実力を認めさせていく。

★ もう一人(?)の主人公はオオカミ犬の疾風(はやて)だ。終盤、貴子と疾風が見つめ合うシーンは、空気が凍りそうな緊張感が漂う。それでいて、両者の間には温かい心の通い合いも感じる。

★ 韓国映画では、中年刑事をソン・ガンホさんが、音道巡査をイ・ナヨンさんが演じていた。ソンさんはさすがに芸達者だが、イさんの美しさには目を見張った。

★ 日本でも2度ドラマ化されているというから、機会があれば観てみたい。中年刑事役は小林稔侍さんが良いように思うのだが、どうだろうか。音道役は誰が良いかな。30歳前半でバイク姿が似合う人だね。迷うところだ。

★ 乃南さんの作品は他も読んでみたい。
コメント