じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「クリムゾン・タイド」

2020-10-20 23:10:41 | Weblog
★ 昨日だったかNHK・BSで放映されていた「クリムゾン・タイド」(1995年)。ふと観たのが途中からだったので、あらためて最初から観た。気持ちを集中してみると緊迫感がなお一層伝わってきた。

★ ロシアで過激派勢力による反乱が起こったという設定。反乱軍が核施設を占拠し、合衆国への攻撃が可能となったことから、米軍は核兵器を搭載した原子力潜水艦の出航を命じる。

★ 核先制攻撃を行うかどうか。原子力潜水艦「アラバマ」の中では、好戦的な歴戦の艦長(ジーン・ハックマン)と士官学校を出てハーバードで学んだ慎重派のエリート副官(デンゼル・ワシントン)が対立、お互いに武装して艦の指揮権を争うまでに発展する。

★ ロシア国内での政府軍と反乱軍の趨勢、アメリカを中心とする西側諸国とロシアとの対立、潜水艦同士の戦闘、潜水艦内の指揮権争い。そうした一連の争闘が、巧みに描かれている。時間が進むにつれて、緊張感が増大してくる。

★ 潜水艦内の様子はセットであるとわかっていながら、作品に引き込まれる。何と言っても乗組員たちの緊迫感がすごい。特に汗の表現が効果的だ。水深深く潜航する艦内は確かに暑かろうが、それに生死の間をさまよう緊張感が拍車をかける。

★ 艦長と副官の対立(名優の演技が際立つ)。対立の背景に人種問題も感じさせる。女性の出演が少ないのもこの映画の特徴だ。

★ 面白い映画だった。
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志賀直哉「流行感冒」

2020-10-20 10:23:39 | Weblog
★ 天声人語で紹介されていたので、志賀直哉の「流行感冒」(「小僧の神様・城崎にて」新潮文庫所収)を読んだ。

★ 志賀家で働く「石」という女中を中心とした話だった。志賀家では初めての子を亡くしてから、子育てにはかなり神経質になっていた。この辺りは他人目には、良家の親バカとも思えるのだが、子を思う気持ちに貧富、身分の差はない。

★ 志賀家には「石」、「きみ」という二人の女中がいた。スペイン風邪が流行していた時代。例年楽しみにしていた巡業芝居の観劇も今年は自粛することにしていた。ところが「石」は目を盗んで芝居に行ったようだ。それを疑う主人に「石」はウソを繰り返す。一事が万事、主人は「石」に暇を出そうと決心する。しかし、いざ門を出てしまうと、いささか極まりが悪い。「石」の将来が気になりだした。

★ とりあえず今回は許すことにした矢先、主人が流行感冒に感染した。あれだけ口やかましく感染しないようにと言っていた本人が罹ってしまい、少々気恥ずかしいようだ。それに妻や幼子にも伝染してしまった。さらに女中の「きみ」や東京から呼んだ看護婦まで。この時、活躍したのが「石」だった。昼間は普段以上に家事をこなし、夜はむずかる幼子を負ぶって、不眠不休の働き。その姿に主人は感心したようだ。やがて「きみ」が養生先の実家から帰ってくるともとに「石」に戻ってしまうのだが。

★ 普段はボーっとしていたり、欠点が目につく人物もいざというときには思いもかけない活躍をする。この場面が一番面白かった。
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