★ 朝日新聞で、やくみつるさんの風刺画「秋思」を見る。杜甫の「春望」のパロディ。領袖を下りた石破氏の心境を慮っている。漢詩の巧拙はともかく、この感性が好きだ。
★ さて、今朝は岡本かの子さんの「鮨」(青空文庫)を読んだ。あるサイトで面白いと書いてあったので読んでみた。岡本かの子という人はよく知らない。「芸術は爆発だ!」で有名な岡本太郎さんのお母さんというぐらいだ。「鮨」は戦前に書かれた作品だが、古さを感じなかった。
★ 東京にある「福ずし」。そこを訪れる一人の中年の常連客を、店の娘「ともよ」の視点で描いている。
★ その常連客、紳士風ながら独特の雰囲気がある。他の客からは「先生」と呼ばれるようになった。ある日、店の外で「先生」と偶然会った「ともよ」。病院の焼け跡に腰掛けながら、「先生」の生い立ちを聞く。
★ 没落する家(時代の趨勢と亭主の道楽が原因のようだが)。「先生」はそこの息子として生まれたが、食事をすることによって自分が穢れていくようで食欲が進まなかったという(これも家の没落を何となく感じての不安感からだったようだ)。痩せていく我が子(小学生ぐらい)に困り果てた母親は、ある日、縁側でパフォーマンスを演じる。息子を前に鮨を握ったのだ。少年は、玉子、イカ、そしてそれまで食べることができなかった魚のネタを始めて味わう。
★ この「鮨」の情景が実にうまそうだ。
★ 昔語りを聞いてから、「先生」は「福ずし」に姿を見せなくなった。定住しなという「先生」のことだから、どこかの街で鮨を食べているのだろうという、「ともよ」の想像で物語が終わる。
★ 中年男は「深夜食堂」のオダギリ・ジョーさんのイメージで読んだ。ちょっと雰囲気は違うけれど。鮨が食べたくなるいい作品だった。
★ さて、今朝は岡本かの子さんの「鮨」(青空文庫)を読んだ。あるサイトで面白いと書いてあったので読んでみた。岡本かの子という人はよく知らない。「芸術は爆発だ!」で有名な岡本太郎さんのお母さんというぐらいだ。「鮨」は戦前に書かれた作品だが、古さを感じなかった。
★ 東京にある「福ずし」。そこを訪れる一人の中年の常連客を、店の娘「ともよ」の視点で描いている。
★ その常連客、紳士風ながら独特の雰囲気がある。他の客からは「先生」と呼ばれるようになった。ある日、店の外で「先生」と偶然会った「ともよ」。病院の焼け跡に腰掛けながら、「先生」の生い立ちを聞く。
★ 没落する家(時代の趨勢と亭主の道楽が原因のようだが)。「先生」はそこの息子として生まれたが、食事をすることによって自分が穢れていくようで食欲が進まなかったという(これも家の没落を何となく感じての不安感からだったようだ)。痩せていく我が子(小学生ぐらい)に困り果てた母親は、ある日、縁側でパフォーマンスを演じる。息子を前に鮨を握ったのだ。少年は、玉子、イカ、そしてそれまで食べることができなかった魚のネタを始めて味わう。
★ この「鮨」の情景が実にうまそうだ。
★ 昔語りを聞いてから、「先生」は「福ずし」に姿を見せなくなった。定住しなという「先生」のことだから、どこかの街で鮨を食べているのだろうという、「ともよ」の想像で物語が終わる。
★ 中年男は「深夜食堂」のオダギリ・ジョーさんのイメージで読んだ。ちょっと雰囲気は違うけれど。鮨が食べたくなるいい作品だった。