★ 塾生が2016年のセンター入試「国語」を解いていたので覗いてみた。文学作品は、佐多稲子さんの「三等車」が使われていた。これが、読み始めるとなかなか面白い。
★ 終戦後の1950年代、鉄道の座席は一等から三等まで区別され、三等車は庶民階級であふれかえっていた。
★ 鹿児島行きの急行列車、「わたし」は座席屋(座席を確保し、それを乗客に売る闇屋、ダフ屋)に200円(今の価値では2000円から3000円だという)を払い、座席を確保した。
★ 「わたし」の隣の席に幼子2人を連れた夫婦がやってくる。夫はすぐホームに降り立ったので、見送りだけのようだ。妻が愚痴交じりに語る。夫を頼って東京に出てきたものの、物価が高くて生活が立ちいかない。幼子を抱えて共稼ぎもできない。夫は東京に残り、母子は実家のある鹿児島に帰るという。家業が農家だから餅ぐらいは食わせてもらえるだろうと。
★ 「男って、勝手ですねえ。封建的ですわ」というセリフが光る。
★ 満員列車の3密状態は今のご時世では考えられない。昔はみんな逞しく生きていたんだなぁと思った。
★ それにしても文末の注釈。「二百円」は貨幣価値が変わったから良いとして、「闇(闇取引)」「所帯」「ねんねこ袢纏」「ズック」「外套」、果ては「メンコ」まで。今の子たち(大学受験者)は「メンコ」を知らないのかぁと感慨深かった。形態や遊び方までご丁寧な説明が付いている。
★ 「昭和は遠くなりにけり」ってところだろうか。
★ 終戦後の1950年代、鉄道の座席は一等から三等まで区別され、三等車は庶民階級であふれかえっていた。
★ 鹿児島行きの急行列車、「わたし」は座席屋(座席を確保し、それを乗客に売る闇屋、ダフ屋)に200円(今の価値では2000円から3000円だという)を払い、座席を確保した。
★ 「わたし」の隣の席に幼子2人を連れた夫婦がやってくる。夫はすぐホームに降り立ったので、見送りだけのようだ。妻が愚痴交じりに語る。夫を頼って東京に出てきたものの、物価が高くて生活が立ちいかない。幼子を抱えて共稼ぎもできない。夫は東京に残り、母子は実家のある鹿児島に帰るという。家業が農家だから餅ぐらいは食わせてもらえるだろうと。
★ 「男って、勝手ですねえ。封建的ですわ」というセリフが光る。
★ 満員列車の3密状態は今のご時世では考えられない。昔はみんな逞しく生きていたんだなぁと思った。
★ それにしても文末の注釈。「二百円」は貨幣価値が変わったから良いとして、「闇(闇取引)」「所帯」「ねんねこ袢纏」「ズック」「外套」、果ては「メンコ」まで。今の子たち(大学受験者)は「メンコ」を知らないのかぁと感慨深かった。形態や遊び方までご丁寧な説明が付いている。
★ 「昭和は遠くなりにけり」ってところだろうか。