高校講演で「悪に強い者は善にも強い。中途半端が一番あかん。若い時は人を世を批判し『俺の考えが一番』ぐらいないと。が、そうやってる内に多くの「自分の考えが一番」に潰され、柔軟に対応するという協調性を身に付ける。そうなれば鬼に金棒。必ず社会を引っ張る人材に成長。歴史が証明しとる」と。
檀家の子から「地獄極楽って本当にあるの」と質問を。「さあ、死んだ事がないからな。でも、もし本当にあったらどうする。その時点で慌ててももう間に合わんぞ。死んだ先で万が一閻魔大王がいても胸を張って会える様に、今の内から親孝行や色んな人に優しくしておきな」と。この方便は効き目抜群にて。
檀家の子供が「うんこ、しっこは何故臭い」と。「その匂い、片付けに慣れ親しんでたら将来役に立つ。記憶の無い3歳までが一番大変。おしめや夜泣きに親は悪戦苦闘。この同じ状態が親の晩年にやってくる。産んで育てて家庭を守り続けた結果の挙句の姿が。この時に子は恩を返さんといつ返すんかい」と。
葬式法話は住職が故人の代理として子孫に向け話す説教。その時私は必ず「母死んで拝む両手があるなら生きてる内に肩一つ揉め。思い知られよ己が身の誕生の日は母苦難の日」の言葉を。「考えたらわが誕生の日は、何十年か前に母親が死に物狂いで産んでくれた日。ならば改めて恩返しをする日、だよ」と。
講演会の度に「天から貰った最高の贈られ物はわが女房殿。男女同権とはいえ結局女性は家を、親を、職歴を捨ててあなたを選ぶ事に。何故大事にせん。結婚後に妻の親を世話するせんは主人の器量の問題。夫婦がお互いを尊敬し、助け合って生きている姿を見て育った子は間違いない。夫婦は家の要にて」と。