私たち人間は男性も女性も「神の像（かたち）」に創造されているため（創世記１：２６，２７）、他の人に気遣いを示す同情心が備わっています。ですから、神エホバについて学んだことのない人たちも同情心を示すことが少なくありません。
神エホバはモーセの前に現れ、ご自分の名前と特質を宣言されました。神エホバご自身がまず挙げられた特質は、憐れみと慈しみです。出エジプト記には、「エホバ、エホバ、憐れみと慈しみに富む神」と自己紹介されました（出エジプト記３４：６）。慈しみとは同情心のことです。神エホバは、ご自身の比類のない力や知恵ではなく、まず、憐れみや同情心を強調、ご自分に仕える者たちを助けたい、という願いを表わされたのです。深い同情心を抱くとは、苦しんでいる人を思いやり、その苦しみを和らげたいと願うことです。神エホバがご自身の比類のない特質の中で、まず憐れみと同情心を持つ者として言及されたことを考えると、勇気が湧き、神エホバの支えに確信し、大きな励みになったに違いありません。
私たちが、深い同情心の示し方について考えるべきなのはなぜでしょうか。聖書は、私たちが神エホバについて見倣うように勧めているからです（エフェソス５：１）。では、神エホバは見倣うべきどのような深い同情心を示したのでしょうか。
聖書中には、神エホバが深い同情心を示された例はたくさんあります。その中の義人ロトに深い同情心をどのように示されたかを紹介致します。ソドムとゴモラの人々の性の不道徳の行い、その厚顔無恥な行いに義人ロトは、「大いに苦しんで」いました。それで、神エホバはソドムとゴモラの不道徳な人々を滅ぼすことに定められました（ペテロ第二２：７，８）。神エホバは、義人ロトを救い出すために、み使いたちを遣わされました。み使いたちは、義人ロトと家族にソドムとゴモラの都市から早く逃げるように促しました。ところが、義人ロトは手間取っていました。次のように記されています。「義人ロトが手間取っていると、み使いたちは彼（ロト）に対するエホバの同情のゆえに彼の手とその妻の手またその二人の娘の手をつかみ、彼を連れ出して市の外に立たせた」（創世記１９：１６）。この聖句に示されている通り、神エホバの深い同情心のゆえに、手間取っている義人ロトの手とその妻の手をと二人の娘たちの手をつかんで、み使いたちは滅びに遭っているソドムとゴモラの都市の外に安全に連れ出したのです。この事例から分かる通り、神エホバは私たちの経験する難しい状況をよくご存じであり、思いやりを示してくださり、救出してくださることが分かります（イザヤ６３：７～９．ヤコブ５：１１．ペテロ第二２：９）。
神エホバは、ご自身が深い同情心を示し、その手本を示し、かつ、ご自分の民に同情心を他の人に示すように教えられました（出エジプト記２２：２６、２７）。このエホバの教えに従って、深い同情心を他の人に示し、苦しみを和らげるために、進んで必要な援助を与える必要があるのです（コロサイ３：１２．ヤコブ２：１５，１６．ヨハネ第一３：１７）。
では、深い同情心を私たちが示すどのような分野があるでしょうか。①普段の生活の中で他の人を助ける、②災害時の救援活動に参加する、③病気の人や年配の人を助ける、④神エホバとそのみ子イエスに付いて教える、等々のことが出来ます。
神エホバとそのみ子イエスが示された深い同情心の手本に見倣って（ペテロ第一２：２１）、私たちも同じように同情心を他の人に示すなら、人からも、特に神エホバから憐れみを受けることが保証されています（マタイ５：７．ルカ６：３８）。あなたも神エホバの深い同情心に見倣って、深い同情心を示してる方のお一人であれば幸いです。
「参照資料」：ものみの塔聖書冊子協会発行、「ものみの塔」誌、２０１７年９月号の第二研究記事。
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