暑い屋外から戻ってきた場合のように、室温は外気温と数度の差があれば当初は十分涼しく感じるものです。しかし、同じ室温に長時間滞在すると身体が慣れてきて、室温に物足りなさを感じてきてしまいます。そこで、ついつい温度設定を低くしたりといった行動に繋がっていきます。
また、外気温がさほど高くない場合にも節電のためということで28℃の温度設定にこだわる必要があるのでしょうか。下図のように外気温が低い時には設定温度も低く、外気温が高くなれば設定温度も高く、しかも外気温度変化に自動追従して変化すれば合理的な温度管理が可能となります。但し、外気温が高くなっても冷房上限温度以上にはならない。逆に、外気温度が低くなっても、冷房下限温度以下にはならないように温度管理をするようにします。
この原型は、2002年に開発した「時間帯別空調温度管理システム」にあります。このシステムは、エアコンの温度管理をスケジュール化することに主眼をおいたものです。これでも外気温度と連動させることが出来なくもないのですが、ここはやはり外気温度を計測した上で、室温管理をおこなった方が望ましいと考えておりました。
そこで、時期バージョンでこの仕掛けを組み込むことにしていたのですが、諸種の理由でお蔵入りしていたものです。
今日、これだけ節電の機運が盛り上がっておりますので、そこそこニーズはあるのでは無いかと思っております。エアコンメーカーさんでしたら、個々のエアコンにこの機能を搭載することは簡単にできると思います。しかしながら、エアコンメーカーさんは冷やしてなんぼの世界でしょうから、自ら冷えの悪さを売りにする製品は作り難いでしょうね。
また、既存エアコンのようにメーカーや機種が異なるエアコンに対して後付けで機能を実現するとなると、その解決方法に苦しむことになるでしょう。これらの解決方法等にご興味がおありの方は、当事務所管理のWebサイト「空調温度管理による省エネルギー(空調温度管理とは?)」をご参照ください。
聞けば熱中症は夜間にも発症することがあるとのことです。真昼の暑い時ならばいざ知らず、電力の余裕のあるときには心地よく過ごせるようにしたいものです。