サンフランシスコ国際空港でのボーイング777型機事故の報道に際して、某航空評論家がテレビ出演されておりました。事故からそう時間が経過しておりませんでしたので事故原因は何かといったことが当然のテーマとなる訳です。求められるのは、その道の専門家(航空工学やパイロット)です。しかし、その某評論家は客室乗務員出身の方でした。無論、操縦経験があるのかも知れませんし、航空工学について豊富な知識をお持ちかも知れませんが・・・。
依頼する方もする方ですが、自分の専門外のコメントを求められることが分かりきっているのに出演するのも如何なものかと思ってしまいます。放送の時間帯が重なるから、最適な評論家は他局から既にアサインされてしまっており、無理やりに頼み込まれたといった事情があるのかも知れません。しかしながら、航空評論家といった看板を上げている以上、質問に対して「その件に関しては知りません。」とはなかなかというか口が裂けても言えないでしょう。自分の知識を総動員して、あたらずと言えども遠からずといったコメントをするしかないでしょう。核心に迫るどころか何となく上っ面を撫でただけといった内容になることは目に見えております。酷いコメンテーターになると頓珍漢なことを言ったり、間違ったことを言ったりとなってしまいます。
いくら商売とはいえ、依頼を断わる勇気を持つことも時には必要なことかも知れません。一度断わると二度と依頼が来なくなるかも知れないといった恐怖は誰しも思うことです。しかし、天下に大恥を晒してしまうより、なんぼかましだと思います。ご自分の専門分野までも低く見られてしまうことにもなりかねません。
視聴者側も評論家のコメントを鵜呑みにすることなく、常に自分の頭で考えることが大切なことであると考えます。