山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

この国大丈夫!?~農業従事者の歪な年齢構成

2025-01-09 | 政治・経済・社会
 農林水産省の農業構造動態調査(2022年、2023年(概数値))によれば、基幹的農業従事者数116万人で、その平均年齢は68.4歳(2022年)となっているそうです。私は現在67歳と4ヶ月ですから、平均値より約1.1も若いのです(笑)
 それもそのはず、先の資料によれば70歳以上が68.3万人で全体の58.7%を占めております。次に60~69歳が24.3万人で20.9%、50~59歳が10.4万人で9.0%となっております。
 世間でいえば定年後あるいは定年間際の年代が全体の79.6%を占めるという異常な構造ともいえる状況となってしまっております。かく言う私も2010年に義父母の残した農地を引き継ぎ兼業農家となりました。(参考:「ティータイム 第88話 農業ことはじめ」)
 それから15年ほど経ちますが、あと10年やれと言われても、それは無理と答えるしかないでしょう。私と同年代の皆さんも似たり寄ったりでしょうから、10年後には凡そ60%は農業からリタイヤする可能性があるということです。これをカバーできるほどに新規就農する方がいらっしゃるのでしょうか。私には甚だ疑問(参考:「なぜ兼業農家を続けるのか(7)」)に思えます。
 これは日本だけにとどまらず他の国々も就農者の高齢化が進んでいるということを聞いたことがあります。そこで各国の状況を知りたいと思ったのですが、適当な資料を見つけることが出来ませんでした。ネット情報では、米国57.5歳(2017年)、フランス52歳(2016年)のように日本より遥かに若くなっているようです。(正確な数字ではないかも知れませんが・・・)
 国によって事情が違うので単純比較は意味がないかも知れませんが、少なくとも食料自給率をある程度確保できている国は、それが農業政策によるものかどうかは別として農業で食っていける位の所得はあるものと考えられます。
 これらの国はこれから対策を講じれば、まだ間に合うように思われます。それに比べ我が国は異常と言える程歪な年齢構造となっております。それに加えて食料自給率の異常な低さです。
 食料自給率の低さは、食料安全保障という観点からも危機感を持って取組むべき課題であることは論を待たないことでしょう。これを受けて「食料供給困難事態対策法」なるものが出来たそうです。しかし、その受け皿となる対象農家が前述のような状況であれば、それこそ絵にかいた餅みたいなものです。70歳を超える高齢者に対して食料を増産しろと叫んだところで実効が伴うはずもありません。米だけなら今すぐ大規模農家を育成すればできないことはないかも知れません。でも米だけ食って生きている訳ではありませんよね。その他の穀物、野菜、果物、そして卵、肉類、乳製品などの畜産品等々・・・。
 さぁ、どうする!!!

<参 考>
 基幹的農業従事者とは、15歳以上の世帯員のうち、普段仕事として主に自営農業に従事している者(雇用者は含まない)


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