曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

クロコノマチョウの誕生。

2010年10月31日 | 日記
今日の花


ランタナ

 ランタナにはいろいろな色の花があります。原種というか一般的な花の色は中が黄色で周りの開いた花がピンクのものが多いでしょう。この黄色というより山吹色のランタナは普通種の木から枝変わりとして出た変わり種を私が増やしたものです。まだ完全に性質が固定されていませんが来年には大きな株になり新種として固定できるかもしれません。我が家には今、アカ・キイロ・シロ・ピンク・このヤマブキイロの5種類があります。

                                    


 今日も天気が悪く写真日和ではありませんでした。
前日から観察していた蛹が朝起きてみると立派に羽化していました。出てきたのは比較的マイナーな蝶 クロコノマチョウでした。蝶にあまり関心のない方はこの蝶を見たこともなければ名前も知らないことと思います。明るい草原などではほとんど見かけることのない蝶で、この蝶は日中はほとんど暗い林の中にいて夕暮れ時には外で活発に活動する性質を持っています。したがって蝶と思わず蛾の一種だと思われても仕方ありません。翅を閉じると羽の模様が枯葉のようで森の中などで地面に止るとすっかり見失ってしまいます。そしてこの蝶はとまる時必ず翅を閉じてとまります。飛んでいる時には羽の表が見えますがとまった時には絶対というほど羽表を見せることはありません。

今日は運よくクロコノマチョウの羽化に立ち会うことができとてもラッキーでした。
今日の写真は非常にマニアックな写真ばかりで多くの方には面白くないかもしれませんが、自然の中ではめったにお目にかかれない事象ですのでのぞいてみてください。上の説明にもありましたようにクロコノマチョウの場合自然の中で羽を開いた写真はなかなか撮れません。
ほとんどの蝶がそうですが羽化して羽が伸び切って硬くなってくると、羽を開いたり閉じたりして飛ぶための準備をします。この時が羽の表を撮るチャンスです。
しかも、羽化したばかりの蝶は何処にも傷や汚れが全くなくてほとんど完全な姿と言っていいでしょう。羽化後しばらくは飛びませんのでどの角度からでもどんなに近くからでも自由に写真が撮れる絶好のチャンスです。ただ舞台が早朝であり部屋の中なので自然光が足りず苦労しました。

では、5日前の蛹の写真からスタートしましょう。


10月27日の状態  グリーンがきれいです


昨夜の状態  このように羽の色が付いてきたら羽化までに一日かかりません。


朝一の写真  羽は伸び切っていますがまだ蛹のカラにつかまっています。


顔の どアップ!   こんな時でないとこんなに近づけません。


羽の模様をつくる鱗プン  おそらくまだ一枚も欠けていないでしょう


窓ガラスにとまったところ   羽を閉じた姿は地味ですがこうして全開するとやはり蝶ですね。                              きれいです。


今度は床に降りました。  秋型のクロコノマチョウの特徴でオレンジ色と白斑のある黒が見事です。


オマケでさらにアップ  このように羽を開いた姿は標本でしか見られません。

いっぱい写真を撮らせてくれて「ありがとう」 この辺でお暇をあげましょう。
窓を開け 外の世界へ飛び立って行ってもらいましたが、外は雨が降っていてさすがに山へ向かってまっしぐらというわけにもいかず。夕方まで庭の梅の木で雨宿りをしていました。


雨宿り

この蝶はたぶん♀です。うまく交尾を済ませるとこのままで冬を越します。きっと林の中で地面に積んだ枯葉に包まれて春を待つことでしょう。4月から5月になるとカヤ類の葉に卵を産んで一生を終えます。

今日はこのクロコノマチョウの誕生日です。 話はこれでおしまい!