晴れのち平安

源氏物語を中心に平安な日々♪
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【本】 「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」 内館牧子 著

2012年12月02日 | 本・漫画
 本のご紹介です。

遅ればせながら、
内館牧子さんによる小説
「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」を読了。

現代の青年が『源氏物語』の世界にとびこんで
桐壺帝のキサキである弘徽殿女御の専属陰陽師として生活するという
トンデモナイ設定ながらも、おもしろい小説でした。

脇役・悪役に追いやられがちの
弘徽殿女御の心のうちは、『源氏物語』ファンとして
気になるところ。

弘徽殿側の人間である主人公が見た『源氏物語』の世界は
今までの源氏関連本になかった新鮮さを覚えました。


あとがきによると、作者の内館さんは
弘徽殿にとても思い入れがあるのだとか。

なるほど・・・ちょっと弘徽殿への賛美が尽くされていると
思える部分もありました。

けれども、主人公と弘徽殿が困難に立ち向かう時、
どのように物事をとらえて人生を突き進んでいくのか
続きが気になっていっきに読めてしまいました。


朱雀帝も光源氏もそれぞれに人間味があって
魅力的に思いました。

剛胆な弘徽殿女御が潔くカッコイイです。

主人公が持っている源氏物語の「あらすじ本」を
読んでみたいですね。






 ここからは私の妄想ですが・・・

弘徽殿は桐壺帝とのあいだに
朱雀帝のほか 女一の宮と女三の宮を産んでいます。

弘徽殿は娘たちにどんな哲学を伝授したのでしょう。
作中、女一の宮と女三の宮が登場しなかったのは残念でもあります。

弘徽殿の“にわかファン”としては、
弘徽殿とその娘たちとの語らいをスピンオフで
読みたいとも思うのでした。





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