山羊

山道を走っていると、
電柱の影に山羊が見えた。
一瞬、看板かと思ったが、
本物だった。
車を降りて近づくと、むこうも
近づいてくる。
首輪に縄がついていて、
それがカーブミラーと電柱の間に張った
ロープに繋がっているので、
ある程度の自由は利くが、
放し飼いとはなっていない仕組みだ。
ヤツも一人ぽっちで、かまってくれる
相手が欲しかったのだろう。
しばらく山羊の相手をして
車に戻りかけると，カンカンという
金属音がする。
振り返るとヤツが
不安定なガードレールの上に乗って、
絶妙のポーズをとってくれていた。
神岡町　山の村にて　　　　Y

西日を受けて・・（昨日のつづき）

　山の涼を求めて来てみたが
　暑いのは、どこも同じだった！
　旅館の玄関先に
　精も魂も尽き果てて
　犬が伸びていた・・
　それならば、いっそ　影で寝たらいいのに・・
　いやいや　ここがいいの！
　人間様にはわかりゃしないって・・
　このほどよい感覚が・・
　と言っているのかどうか？！
　几帳面に吊り下げられた簾
　実は、世の中　斜に見ております！
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