今日(11月6日)は、千葉県佐倉市の歴博こと国立歴史民俗博物館へ。
国際企画展示“文字がつなぐ-古代の日本列島と朝鮮半島”を見学するためです。
歴博で文字に関する特別展は、“古代日本 文字のある風景”展以来、(たぶん)12年ぶり。
この2つの展示の名称を比較すれば、この12年間で日本列島における文字文化に関する研究の広がりと深まりがよく分かるかと思います。
それは、ひとことで言えば、日本列島の文字文化を朝鮮半島のそれとのつながりも視野に入れて考えることができるようになったこと。
漢字という文字にも現れているように、日本の文字は中国とのつながりが重視されていましたが、それだけではなく両者の間にある朝鮮半島との関連性も最近は注目されるようになって来たのです。
また、個人的には、私自身も、12年間で少しは成長できたことも確認できました。
12年前の“古代日本 文字のある風景”展では、展示プロジェクトのお手伝いをしただけでしたが、今回の“文字がつなぐ-古代の日本列島と朝鮮半島”展では、自分が関わった資料が(パネル展示ですけど)紹介されていました。
その資料とは、岩手県奥州市の道上(どうのうえ)遺跡から出土した「禁制」木簡。
実はこの資料、前歴博館長の平川南先生と、岩手県埋蔵文化財センターの丸山浩二さんと一緒に検討を加えたもので、陸奥北部の10世紀の社会のイメージに再考を迫る好資料なのです。
学界ではあまり、というか全く取り上げられていなかったのですが、こうした展示で紹介されているのを見て、少しは勇気づけられました。
展示はあとひと月ほど、12月14日まで。
展示場所は、「Ⅰ文字による支配 1権威と王命の伝達」のコーナーです。
図録にも写真と解説が掲載されておりますので、ぜひお買い求めを(税込み2,000円です)!