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ブルース・スプリングスティーン 2012.9.14.ワシントンDC公演観戦ライブレポート

僕はブログで知り合った人を誘ってブルース・スプリングスティーンのライブを観に、
はるばるアメリカ、ワシントンDCまで行ってきた。
今やっと団地の部屋に帰ってきた。
正直なところこの記事をブログに出来たことが僕には信じられない。
よくやったと僕自身は思う。

ブルース・スプリングスティーン&ジEストリート・バンド
2012年9月14日 ワシントン・ナショナルズ・パーク公演観戦ライブレポート

僕はこのライブは良くなかったと思う。

僕の体調が良くなかったこと。
僕は3年半前ボストンで、ブルース・スプリングスティーンのライブをGA Floorで観て最高の体験をしたので
今回の悪くない席ではあったが、スタジアムでのスタンド席での観戦はきつかった。
今回の「レッキング・ボール・ツアー」はスタジアム・ライブ向きでは無い。

まず今回のセットリストがことごとく、ライブの前半で
僕の好きな曲とは裏の曲ばかりを演奏されてしまった。
途中で涙目になってきた。

そしてやっと僕が待っていた曲
「JACK OF ALL TRADES」
が演奏された。
僕はこの曲を聴く為に今回来たとも思っていた思い入れのある曲。
ところがこの曲が始まると、観客がトイレに行き出す、ビールを買いに行く、会場がざわめきだして
客席の3分の1はもう席を立って歩いている。
僕の周りの席では隣とおしゃべりをする、i phoneを眺める。
熱心に聴いていたのは会場の中で僕だけだとその時感じた。
何んでこの曲は人気が無いのだろう。
すごくスプリングスティーンらしい誠実な曲だし、アルバム「レッキング・ボール」の核になっている大切な曲だと
僕は思ってきた。
それがはるばる来たアメリカの地で僕がこんな思いをするとは思わなかった。
僕は悲しかった。

これで僕の集中力は切れてしまった。
次第に体の疲れも感じて、
僕はもうイスに一人だけ座ってただ前の人の背中をただぼーっと見ていた。
悲しかった。

セットリストの最後の方に
「THE PROMISED LAND」さらに「RACING IN THE STREET」までやった。
でも僕はもう何も聴けなかった。
アンコールには何と「デトロイト・メドレー」まで出てきた。
このセットリストを読めば、凄いライブだったと想像する人が多いだろう。
でも僕はあの伝説にもなっている「デトロイト・メドレー」もただメロディーを演奏しているだけで
何も熱くくるものは僕には無かった。
せっかく楽しみにしていた「DANCING IN THE DARK」も涙で曇った目で観客が踊っている背中をぼう然と見ていた。
スプリングスティーンの姿は見なかった。

あえて言えば負け惜しみかもしれないが、
もうこの時のライブは「レッキング・ボール」ツアーとは言えないと僕は思う。
単なるヒット・メドレーのライブだと僕は思った。
そこには僕がずっと考えてきた「人の死と人の永年の営み」といったテーマは感じられなかった。
一番核になると思っていたクラレンスとの思い出を分かち合う「10Th AVENUE FREEZE OUT」も最後のお決まりの流れで
映像を流して、何も考えずにいつも通りやっただけに僕は感じた。

しかしながら。僕の今回のブルース・スプリングスティーンのライブを一番の目的としたワシントンDC旅行。
観光の部分では思っていたよりも遥かに楽しかった。
ワシントンDCの重要な場所もかなりの所を実際に歩き、自分の目で見た。
観光を楽しんで、最後のライブを楽しめば旅行は完了するところだった。
ライブを観るまでよくやったと僕は思っている。
最後の最後まで上手くやれていた。
でも最後で失敗した。

でもこれは失敗だったのだろうか?
僕は本当にライブの出来が悪かったのだと思っている。
そして何年も準備して、はるばるアメリカまで来て、
そのライブを良くなかったと言えた僕はすごいと僕は思う。
今までの僕だったらどんな出来のライブでも、自分がアメリカに来て見たのだからというだけで、
良いライブだと決めつけていた。
それが今回僕は良くないものは良くないと言えた。
僕は成長した。

でもライブから帰ってきたホテルの部屋では僕はきつかった。
もうずっと何日かカーテンを閉めて暗くして眠っていたかった。
でも翌日の飛行機に乗らなければ大変なことになる。
もう死にたかった。
でも外国で死んだら僕の遺体を引き取にアメリカまでくる母はとてつもない大変な思いをする。
やっとの思いで一緒に来た人について飛行機に乗った。
なんとか日本に来た。
そして自分の部屋まで来れた。
ワシントンDCから僕の部屋までよく辿り着いた。
よくやった。

でも実際は帰りの飛行機が成田に近づき、窓から下に見える雲を見ていたら楽しくなってきた。
結構、今回の旅行楽しかったじゃないかと思えてきた。
実際、楽しかった。
いろいろなハプニングの連続だったけれど、
それを一緒に行った人と楽しみながら乗り越えた。
楽しかった。
そしていろいろな大切な体験。
大切な言葉ももらった。
それを次回からこのブログに書いていきます。
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