河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

草なぎ君泥酔全裸事件よりもすごいこと

2009-04-24 | 大学
病院では高齢のご婦人が、大学では女子学生が草なぎ君泥酔全裸事件のことで大騒ぎしている。

こんなことより飲酒で言えば、某大臣のしでかしたことの方がよほど重大だと思うのに、なぜ逮捕までされるのだろうか。

それよりも、こんなのどかな事件の影で、もっとすごいことが起こっている。

以下引用 m3.com
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奈良県立奈良病院の産婦人科医2人が、未払いだった時間外手当の支給を求めていた裁判の判決が4月22日午後1時10分から、奈良地裁であり、A医師に736万8598円、B医師に802万8137円の支払うよう、奈良県に命じました。判決後の記者会見で、代理人の藤本卓司弁護士は、こうコメントしました。

 「宿直勤務は、待機時間を含めてすべて勤務時間とした画期的判決。宅直勤務分の支払いは認められなかったのは不満だが、最も主張していたのは宿直を勤務時間として認めるべきという点だったので、6-7割は勝訴したと言っていい」

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これがどれほどすごい判決かは、これからの進展が明確に示してくれるだろう。
医療が崩壊するか、古い医療の体制が抜本的に改革されるかそのどちらかだろうと思う。

おおよそ医師の世界ほど、一般の人の感覚が通用しない世界はない。
私は片足を医師の世界に、もう片足を大学教育の世界に置いているので、一般の医師よりもそのギャップがよく見えると思う。

ほんのちょっと前までは、教授が明日からどこそこの病院へ行けと言ったら、否応なく従わざるを得なかったのが医師の世界である。

宿直もつらいからいやだと断れるものではなく、否応なく深夜も働かされ、翌日そのまま通常診療を行うというのが医師の世界である。

「宿直勤務は、待機時間を含めてすべて勤務時間とする」

こんな判決が出るなんて、本当に信じられない。

日本の医師の大多数が労働基準法違反を指摘されるのは間違いない。
いったいどうなるのだろうか。

弁護人を務める藤本卓司氏のことば(以下引用m3.com)
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――弁護士のお立場から見て、医師の勤務実態をどう思われますか。

 最初は、驚きましたね。労基法違反という甘いレベルではありません。労基法を蹂躙(じゅうりん)しています。病院に、法を守る意識はないのでしょうか。こんな実態が放置されていること自体、とても不思議で、理解できませんでした。
 
 例えば、過酷な長時間労働をしているトラックの運転手が事故を起こした場合、その運転手の勤務先である運送会社が監督責任を問われるのは当然のことです。

 医療界には、“医師聖職論”があるのも事実です。でも、過酷な労働で疲労困憊の状態で診療を行い、もし間違いを犯したら、どうなるのでしょうか。「過労でどうしようもなかった」という言い訳はできません。患者の命を守るために、心身ともにベストな状態で診療できる体制を整えることが、医師自身、そして何より管理者の役割なのではないでしょうか。

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コメント
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