河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

生みの苦しみ=グラント申請

2009-09-28 | 研究・講演
偶然、非常に興味深いブログを見つけた。
アメリカにおけるグラント申請の苦悩がコンパクトに記載されている。

私も、これから約1ヶ月間、科研費申請書に向かい合わなくてはならない。
アメリカで、ここに記載されているような作業を直接見てきたので、日本の科研費申請書など何でもないと思っているが、最近だんだん重荷になってきた。
特に今回はちょっとプレッシャーがかかっている。
しかし、日本では科研費に落ちたからといって大学を追い出されるわけではないので、アメリカの研究者に比べればストレスの度合いは天と地ほど異なる。



ハーバード大学医学部留学・独立日記
http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/
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快適に英文アブストラクトの第1ドラフトを書き始めるためのフレームワーク

米国のアカデミアの研究者が、特に大きなストレスを感じる月が年に3回あります。それは、1月、5月、9月です。これは政府の大型研究費申請書R01グラントの締め切りが2月5日、6月5日、10月5日であるからです。自分を含めスタッフ全員の給料とすべての研究費を外部資金から調達することを要求される米国の主要大学の場合には、グラントの合否は死活問題です。私はアイデアや予備実験、共同研究者との交渉など通常1年以上かけて下準備しますが、締め切り2ヶ月前あたりから強いストレスがかかりはじめ、締め切り前1ヶ月はグラントのことが全く頭から離れない状態になります。

現在私はそのストレスのまっただ中にいるわけです。R01グラントはシングルスペース25ページのサイエンスに関する部分に、予算・設備・スタッフの構成などを含めると100ページ程度になります。頭の中にある漠然としたサイエンスのアイデアを、25ページの文書にして、向こう5年間このプロジェクトに自分の仕事人生の一部(%エフォート)を捧げますと宣言するに至る第1ドラフトを書き上げるまでの生みの苦しみが最も苦しいところで、研究者は毎回この苦しみに正面から向き合わねばなりません。

グラント・ライティングに限らず、目の前の白紙に自分のアイデアを書いて、人にわかってもらえるようなメッセージに落とし込むという作業は、程度の差はありますが、つねに創造的ですが、そしてつねに生みの苦しみをともないます。それは英文アブストラクトを書く場合にも言えることです。
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コメント
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