川天使空間

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児童文芸 4・5月号

2014年04月06日 05時46分35秒 | 創作・本の紹介
特集は、「ようこそ! ファンタジーワールドへ・・・」

石崎洋司先生の「ゴシック建築の目的は重量感の徹底した排除」の言葉にガツンとやられた。
自分も何故ゴシックが好きなのかが、ストンとわかったから。
不安定感の引力、というか。

おやぶんこと芝田勝茂さまは、「きみに会いたい」「夜の子どもたち」二作を語る。
私の医局の本棚にはおやぶんの作品が並んでいる。
どうしてなんだろう、不思議な魅力があるから。
読んでもすっとわからないもどかしさが、何度も本を手に取らせてしまうから。
原発事故後のおやぶんの作品、また読みたいです。

越水利江子さまは「花百姫」はじめ、力強いファンタジーを語られる。
「取材で、自分の持っている常識を吹っ飛ばしてくれるようなものに出会った時こそが、物語が誰のものでもない、自分だけのたったひとつの物語になるチャンスなのです」
そうだ!と思った。
自分が創作をするときにも、「ぐらっときた」心や体の体験から始まっている気がする。
やっぱり、自分の足で歩いてこそ得られるものは大きいのだなと思った。

横山充男さまの「私のファンタジーの多くは、どこまでも現実世界を描いている」にも納得。
「より現実に近い現実を作品の中に顕現せしめること。それが私のファンタジー作品である」
の言葉にも、強く頷いた。
現実の意識世界、特に政治やテレビなどで操作された空気は、なにかあぶないものを感じているから。

金治直美さまの創作「チェプオユンの汽車」。
うわわわわわわっ!
最初の描写があまりにリアルで、ファンタジーだと思った時には心臓がばくばくでやられまくっていた。
感想にならない感想で、すみません。まだドキドキしてます。

光岡真理さまの連載「愛する野子へ」。
山で亡くなったカメラマンの父さんが野子に残したアルバム。
父さんと過ごした風景や動物などの10ページで、最後のページが抜けていた。
その場所を父さんの弟子だった義也さんと探しに行く…。
物語がすこしずつ展開してきてわくわくする。

ささきありさまの「この一冊ができるまで」。
「おとこのこのめいさくえほん」
編集者さまが、ありさまのやさしい文章を絶賛されていて。
ありさま、ますますのご活躍を!

「デビューしました」は、土山優さま。
やっぱり実体験をもとにしたお話は力強い。
「海のむこう」、ゆうさまの文章と小泉るみ子さまの挿絵が、しずかなのに力を秘めた世界を造り上げていたのはこういうわけだったのだなぁ。

同人誌評で堀米薫さま、古文書のエッセイを岩崎まさえさま。
マッチ売りの少女にでてくる七面鳥の丸焼きを作っちゃった松弥龍さますごすぎです。

「児童文芸」編集もされている原山ゆうこさまの創作「黒ねこカフェ」。
やさしい文章がすてき。
絵になるなぁ、こんな絵本を読みたいなと、すごく思った。

今号はずしんと来る内容で、お腹に力が満ちた感じ。
すばらしい編集です。ありがとうございました!

力をいただいてずんずん書けたらいいな。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)
コメント
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