1週間ほど前に家に届いていた『BE-PAL』8月号をようやく開いて、『旅人失格』を読む。最終回だった。
映画監督の平野勝之氏と平野氏とは別の男のもとに移り住み結婚する予定の「おそのさん」の二人で北海道を自転車で旅する話だけど、抜群に面白かった。
結末は想像通り。だけど、そこにいたる道程は短く平坦ではなかった。自分一人の力では解決できない、人生を左右する大きな悩みを抱えたら、長い旅にでるのがいい。時間をかけてぼんやりと色々と考えると答えが見つかるかもしれない。この旅で「おそのさん」は変わった。彼女の人生は180度変わってしまったけど、考え抜いて決めた人生はすばらしい。旅人の失格では決してない旅紀行『旅人失格』は久しぶりに面白く読めた連載ものだった。