
ベネッセコーポレーションの顧客情報漏洩事件で個人情報の管理のあり方が問題になっている。
岡山で生まれ育った優良企業のベネッセ(もと福武書店)がマスコミに叩かれている姿を見るのは一市民として正直辛い。企業ブランドの信用力で収集した子供から親まで家族の個人情報を大きな資産として有効活用して成長を続けてきた企業だから、しばらく業績不振に陥るかもしれない。
就任したばかりの原田泳幸社長はアップルジャパンの社長や米国アップルの副社長を務めたIT界の経営者だけど、関連情報管理会社がデータ管理を委託していた業者の派遣社員SEのせいでマスコミの前で深々と頭を下げて謝罪会見をさせられる図は情報化社会の脆さを見る思いだ。
個人情報の漏洩といっても住所、氏名、生年月日などの情報だから、たかが知れた情報ではある。今の時代、本人が気付かないうちに個人情報が色んなところに流れて使われているのかもしれない。Amazonや楽天の登録情報と購入履歴データを分析したら、僕の趣味や関心や知的レベルは丸見えだろう。ネット決済のデータが集積されている金融機関がデータ分析しても、かなり僕の生活動向、生き様が見えてくるだろう。それらの個人情報のデータ活用のステージは無限にある。
だから心配してもきりがない。今回の情報流出はそれほどの内容のある情報ではなさそうだ。子供の将来まで危惧されているお母さんの姿もテレビに映し出されていたけど、漏洩した情報は人生を左右するほどの価値はないし、マスコミはむやみに煽りすぎている。
今の時代、むしろ勝手に個人情報は使われるものだと観念して、暮らさなければいけないし、そのように腹をくくれば今回の情報漏洩も些事に見えてくる。