上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

正書法を乱すネーミング …  漢字で韓国語 「牛」

2010-08-26 | 漢字
融通が利かないほどの「頑固」のことを쇠고집といいます。
그 사람의 고집이 쇠고집같다といえば,「あの人はよほどの頑固者だ」という意味です。韓国の牛のそれほど愚直に仕事にしたのです。

ここで쇠고집の쇠は‘소의(牛の~)’が縮まった言葉です。

쇠が使われている言い回しを見てみましょう。
・쇠털같이 많다:(牛の毛のように)数がとても多いこと。
・쇠뿔도 단김에 빼랬다:牛の角も一気に抜けという。何事もやる気のあるうちにやってしまえ。

소 귀에 경 읽기ということわざは前に出てきましたね。
쇠귀에 경 읽기ともいいます。

ひと昔前の韓国人は,小学校の時から牛肉のことは쇠고기が正しい表記だと教えられてきました。ですから牛の頭は쇠머리, 牛の骨は쇠뼈, 牛の油は쇠기름, 牛の皮は쇠가죽, 牛の耳は쇠귀といいます。

このように「牛の~」という意味では,元来쇠と表記してきたのですが,1970年代の初めに,ある食品会社が소고기 라면というネーミングで即席麺を売り出したから大変なことになりました。当時の人たちは書くときには쇠고기と表記し,会話では소고기と言っていたのですが,会話体をそのまま商品名に取り入れたのですね。

昔の子供たちは,お使いで肉屋に行くと“아저씨, 소고기 한 근 주세요.”と言って肉を買いました。当時の肉屋は肉が新鮮に見えるようにとピンクの蛍光灯を飾り,ガラスのショーケースの中に無造作に肉のかたまりを並べて売っていました。最近は肉屋のことをしゃれて정육점<精肉店>と言っていますが,昔は呼び方も고깃간, 푸줏간といっていました。客が何の料理に使うかを店の主人に言うと,おもむろに部位を切り分けてくれるのです。

さて,話を元に戻します。この쇠고기と소고기, ハングルの新しい正書法では両方とも正しい表記と認めることになりました。今までは「牛の」という意味の言葉は,쇠~と書かなくてはいけなかったのですが,もう쇠고기か소고기か悩まなくてすみそうです。

と言うわけで,今日の漢字は「牛」です。소 우といいます。
牛に引かれて善光寺参り 친구 따라 강남 간다
牛飲馬食 우음 마식
鶏口となるも牛後となるなかれ 닭대가리는 될지언정 쇠궁둥이는 되지 마라.
*계구우후〈鷄口牛後〉ともいう
蝸牛角上の争い 와각지쟁〈蝸角之爭〉
*蝸牛:와우,달팽이
九牛の一毛 구우일모〈九牛一毛〉
牛耳る 좌지우지하다〈左之右之-〉
角を矯(た)めて牛を殺す 교각살우〈矯角殺牛〉
牛追い 소몰이
牛小屋 외양간[외양깐]
*소 잃고 외양간 고친다.:泥棒を捕らえて縄をなう
牛肉 쇠고기
牛丼 쇠고기덮밥
牛脂 우지
牛乳 우유
牽牛 견우
*織り姫:직녀〈織女〉
水牛 물소
種牛 종우,씨소
闘牛 투우
肉牛 육우
乳牛 젖소
狂牛病 광우병
*口蹄疫:구제역

ウシガエル(牛蛙) 식용개구리〈食用-〉
ゴボウ(牛蒡) 우엉

우이독경〈牛耳讀經〉 馬の耳に念仏

●우と読む漢字
日本語では「ウ」「ギュウ」「グ」「グウ」「ユウ」と読むものがあります。

ウ:宇ㆍ于ㆍ迂ㆍ盂ㆍ芋ㆍ紆ㆍ右ㆍ羽ㆍ雨ㆍ禹
ギュウ:牛
グ:愚ㆍ虞
グウ:遇ㆍ偶ㆍ寓
ユウ:優ㆍ憂ㆍ友ㆍ又ㆍ祐ㆍ佑ㆍ郵ㆍ尤ㆍ疣
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