【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】2-07 層考展案 階層化展開で思考レベルが向上する 思考を階層化して、展開する
四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。
■ 第2章 思考力を高めてビジネス全快
四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
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四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
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■2-0 7 層考展案 階層化展開で思考レベルが向上する
~ 思考を階層化して、展開する ~
*
論理思考の一環で、思考の質を高める方法として別項にて記述されています「俯瞰細観」と同様に重要な思考法を示唆するのが「層考展案(そうこうてんあん)」です。「層考」とは、思考を「層」すなわち「階層」で行うことです。「展案」とは、「案」すなわち「アイディア」が「展開する」ということで、「層考展案」とは、「思考を階層化すること」です。
例えば、「収益が上がらない」という企業で、その課題について検討しようとしますと、多くの企業では、思いつきで二~三の理由を挙げて、それでお茶を濁している場合が多いです。中には、「その理由をブレインストーミングで追求しよう」と取り組み始める企業もあるでしょう。後者の場合には、KJ法でブレインストーミングの結果を整理しますと、整理された事象を前にして作業しますので、全体を俯瞰することができて検討しやすくなります。
このときに、重要度を加味し、とりあえず、重点度の高い方策から手を付けていくという方法が考えられます。この発想は、「九牛一毛(きゅうぎゅううちもう)」という効率重視の考え方です。中国では「九」という数字は、「たくさん」という意味を表すときにしばしば使われます。すなわち「九牛」とは、「たくさんの牛」という意味です。「一毛」とは「一本の毛」ということです。「たくさんいる牛の内、その一頭の毛が一本抜けても目につかない」すなわち「取るに足りない些細なこと」という例えになります。
同様な表現として「大海一滴(たいかいいってき)」「蒼海一滴(そうかいいってき)」という四字熟語があります。構成比率の高い事象を重視するというABC分析の考え方に通じます。
前項に戻りますが、KJ法で、グループ化するだけではなく、各グループ内でさらにグループ化をしますと、一層課題が明確になってきます。これを階層化して表記しますと、全体が見通しやすくなり、さらに課題の本質に迫ることができます。
このように階層化することに慣れて来たら、初めから階層化して思考展開しますと、ブレインストーミングやKJ法程には時間をとらずに、一覧性ある形に整理できます。これを「ロジックツリー」と呼んでいます。
ロジックツリーは、トップボックスと呼ばれる、ツリーの頂点から思考をスタートします。トップボックスに、課題を簡潔に表記し、それをいくつかに分解します。このときに、「漏れなく、重複なく」ということを意識して、分解します。別項で紹介していますMECEの利用です。
例えば、トップボックスに「収益を上げるには」と記入します。収益を上げる方策を、「漏れなく、重複なく」という原則に則って分解します。例えば「売上向上」と「コスト削減」というように分解できます。これが、トップボックスの下にぶら下がる、「第一層」と呼ばれます。
第一層の直下層が「第二層」です。本例では、第一層が「売上向上」と「コスト削減」という二つのボックスで構成されています。ボックス毎に、さらに分解をして行きます。第一層の分解でもいえますが、分解するときには、「レベルをあわせる」ことが原則です。例えば、「売上増をはかる」ということと、「売上単価を上げる」とでは、後者は前者を実現するための方策ですから、前者の下位に位置する方策です。このようにレベルに沿わない事象を同一レベルで同居させないことがポイントの一つです。
「売上向上」というテーマを、さらに「漏れなく、重複なく」の原則に従って分解します。例えば、「売上高=売上単価×数量」という公式に基づけば、「売上向上」をするには第二層は「売上単価を上げる」か「売上数量を増やす」かというように分解できます。
視点を変えて、第二層について売上に関係する「顧客」という切り口で「売上向上」を考えてみましょう。顧客は、既存の顧客と新規顧客に大別でき、これが第三層になります。既存の顧客をさらに分解しますと、例えば売上高ABC分析で、「Aランク顧客」「Bランク顧客」「Cランク顧客」というように分解でき、第四層に分解できるのです。
このようにして分解して行き、例えば「Aランク顧客の売上高を伸ばすにはどうしたらよいのか」という切り口で検討しますと、具体的な売上増加の方法論を検討しやすくなります。
思考を抽象的に進めない方策の一つが、ロジックツリーを利用することですし、これにより、思考全体を俯瞰的に見ることができますので、思考をさらに深く掘り下げることにもなります。
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~ 思考を階層化して、展開する ~
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論理思考の一環で、思考の質を高める方法として別項にて記述されています「俯瞰細観」と同様に重要な思考法を示唆するのが「層考展案(そうこうてんあん)」です。「層考」とは、思考を「層」すなわち「階層」で行うことです。「展案」とは、「案」すなわち「アイディア」が「展開する」ということで、「層考展案」とは、「思考を階層化すること」です。
例えば、「収益が上がらない」という企業で、その課題について検討しようとしますと、多くの企業では、思いつきで二~三の理由を挙げて、それでお茶を濁している場合が多いです。中には、「その理由をブレインストーミングで追求しよう」と取り組み始める企業もあるでしょう。後者の場合には、KJ法でブレインストーミングの結果を整理しますと、整理された事象を前にして作業しますので、全体を俯瞰することができて検討しやすくなります。
このときに、重要度を加味し、とりあえず、重点度の高い方策から手を付けていくという方法が考えられます。この発想は、「九牛一毛(きゅうぎゅううちもう)」という効率重視の考え方です。中国では「九」という数字は、「たくさん」という意味を表すときにしばしば使われます。すなわち「九牛」とは、「たくさんの牛」という意味です。「一毛」とは「一本の毛」ということです。「たくさんいる牛の内、その一頭の毛が一本抜けても目につかない」すなわち「取るに足りない些細なこと」という例えになります。
同様な表現として「大海一滴(たいかいいってき)」「蒼海一滴(そうかいいってき)」という四字熟語があります。構成比率の高い事象を重視するというABC分析の考え方に通じます。
前項に戻りますが、KJ法で、グループ化するだけではなく、各グループ内でさらにグループ化をしますと、一層課題が明確になってきます。これを階層化して表記しますと、全体が見通しやすくなり、さらに課題の本質に迫ることができます。
このように階層化することに慣れて来たら、初めから階層化して思考展開しますと、ブレインストーミングやKJ法程には時間をとらずに、一覧性ある形に整理できます。これを「ロジックツリー」と呼んでいます。
ロジックツリーは、トップボックスと呼ばれる、ツリーの頂点から思考をスタートします。トップボックスに、課題を簡潔に表記し、それをいくつかに分解します。このときに、「漏れなく、重複なく」ということを意識して、分解します。別項で紹介していますMECEの利用です。
例えば、トップボックスに「収益を上げるには」と記入します。収益を上げる方策を、「漏れなく、重複なく」という原則に則って分解します。例えば「売上向上」と「コスト削減」というように分解できます。これが、トップボックスの下にぶら下がる、「第一層」と呼ばれます。
第一層の直下層が「第二層」です。本例では、第一層が「売上向上」と「コスト削減」という二つのボックスで構成されています。ボックス毎に、さらに分解をして行きます。第一層の分解でもいえますが、分解するときには、「レベルをあわせる」ことが原則です。例えば、「売上増をはかる」ということと、「売上単価を上げる」とでは、後者は前者を実現するための方策ですから、前者の下位に位置する方策です。このようにレベルに沿わない事象を同一レベルで同居させないことがポイントの一つです。
「売上向上」というテーマを、さらに「漏れなく、重複なく」の原則に従って分解します。例えば、「売上高=売上単価×数量」という公式に基づけば、「売上向上」をするには第二層は「売上単価を上げる」か「売上数量を増やす」かというように分解できます。
視点を変えて、第二層について売上に関係する「顧客」という切り口で「売上向上」を考えてみましょう。顧客は、既存の顧客と新規顧客に大別でき、これが第三層になります。既存の顧客をさらに分解しますと、例えば売上高ABC分析で、「Aランク顧客」「Bランク顧客」「Cランク顧客」というように分解でき、第四層に分解できるのです。
このようにして分解して行き、例えば「Aランク顧客の売上高を伸ばすにはどうしたらよいのか」という切り口で検討しますと、具体的な売上増加の方法論を検討しやすくなります。
思考を抽象的に進めない方策の一つが、ロジックツリーを利用することですし、これにより、思考全体を俯瞰的に見ることができますので、思考をさらに深く掘り下げることにもなります。
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