いつものとこやろくがっつ

　６月　４日

　いつもの床屋でした。６月。

　前回（５月）のとき、床屋のおねぇさんは表情が暗かったんですよ。
　それが今回はチョイと明るい顔をしていたので、アタイもホッと
しました。
　
　アタイが店に入ったら、待合室のソファに１人座っていました。
　「たまおちゃん、いらっしゃい」
　「今日もお客さんがいるねぇ」
　「でしょう」
　ソファに座っていたのは、ペット仲間というかダベリ友だちというか、
毎日のように床屋に来ているおばちゃんでした。（笑）

　「忙しいんだから、チャッチャとやるからね」っておねぇさん。
　「アタイはそんなに忙しくないんだけどなぁ」
　「コッチは忙しいのよ。仕事は二の次なんだから」

　「こないだアタイの誕生日だったんだけど、誕生日割引とかは
ないの？」
　「そんなものは無い！」
　「そうだよなぁ。何十年も来てるけど、そんなの見たことも聞いた
こともないよなぁ」
　「それじゃ、散髪がおわってからコーヒー飲ましてあげるよ。ホットと
アイスはどっちがいい？」
　「コーヒーはいつものことじゃん。でもまぁアイスで」
　「アイスは微糖だよ」
　「ブラックがいいなぁ」
　「そんなものは無い！」

　「夕方この店の前を、２歳ぐらいの女の子を自転車に乗せて通る
サラリーマン風の人がいるのよ」
　「それで？」
　「保育園なんだろうけど、男親が面倒みてるのはいいわよね」
　「アタイもやったよぉ」
　その言葉は完全に無視して「どんな人だろう？って思っていたら、
こないだその人と目が合ったので、店に入ってくるように手招きした
の」
　「そしたら？」
　「入ってきたわよ。それで『いつも気にしてたんですよ』って、
お父さんに挨拶して、子どもを見たらカワイイの。ものすごぉく」

　ここで散髪の手が止まります。スマホを持ってきて写真を見せて
くれました。たしかに可愛い子でした。
　おねぇさんにとって時間に余裕がある。というときには、散髪は
そっちのけで身振り手振りで話し出すんです。（急ぐときには２０分で
終わる散髪が、最長２時間ということもありました）

　ここで女性のお客さんがやってきました。
　「いらっしゃい。どうしたの？」
　「カットと顔剃りやって」
　「まってて、すぐに終わるから」
　それからが早いんです。５分でアタイの散髪は終わりました。(^^;)

　ホットコーヒーをブラックで飲んで帰りました。(^^)/