水芭蕉(サトイモ科)花言葉は、変らぬ美しさ。兵庫県以北の冷涼な地域の水湿地に生える。尾瀬ヶ原は特に有名である。5~7月、葉の萌芽と同時に、楕円形の白い仏炎苞の中に棒状の内穂花序を作る。花序は長さ約10㎝、花は小さい。花後に伸びる葉は狭長楕円形で肉が厚く、長さ80cm、幅30cmにもなり、芭蕉の葉に似る。平地だと3~4月に開花する。光背のような白い苞が美しいが、それに包まれるように鎮座している花穂にも注目したい。『水芭蕉水さかのぼるごとくなり 小林康治』水芭蕉の花は湿地に咲くので、この句にいわれているような情景が、すなをに思える。あたりは、とてつもなく静かで、風もかすかに吹いていて、孤独をあじあうことが出来る。「花と影ひとつに霧の水芭蕉 水原秋桜子」「水芭蕉ならぬはなしや水鏡 阿波野青畝」「七彩の日がふりかかり水芭蕉 岡田日郎」「野兎わたる濁りすぐ消ゆ水芭蕉 沢田緑生」「陰陽の陰のまぶしさ水芭蕉 渡辺恭子」「影つねに水に流され水芭蕉 木内怜子」「稜線は雲を隔てて水芭蕉 寺岡撓子」「水芭蕉溜息とどくほどの距離 吉田朱鷺」「水芭蕉水を抜けゆく水の音 橋上 暁」(水芭蕉白妙かさね水ながる ケイスケ)