ヒナゲシ;雛罌粟(ケシ科)花言葉は、慰め。東ヨーロッパ地方原産。我が国には中国から伝わった。草丈1m近くなり、5月頃うなだれた蕾を起こして、紅、赤、白、紫などの四弁花の可憐な一日花を開く。五月晴れの空の下に咲く罌粟の花は、華やかで明るいが、観る人の心により一種のかげりも感じさせる。観賞用に八重咲きのもの、ひなげし、鬼罌粟など、種類は多い。薊罌粟は薊に似て棘があい、黄色の四弁花を咲かせる。また球形をした実は罌粟坊主と呼ばれるのも面白い。そしてある種の罌粟の未熟の実の乳液からは、阿片、モルヒネを製するので、栽培は禁止されている。「白辛子に羽もぐ蝶の形見かな 松尾芭蕉」「散り際は風もたのまずけしの花 室井其角」「罌粟散りぬけふ一日の一隅に 千代田葛彦」「白罌粟の脆くなりにし月の前 柴田白葉女」「罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき 橋本多佳子」「首ふつて花と踊る罌粟坊主 石原八束」。家の近くの蕎麦屋の駐車場のかた隅に罌粟の草が一本だけ生えている。場所柄から見て自然に生えたもののようだ(道ばたに 孤独に立る 罌粟坊主 ケイスケ)