パンジー;三色菫;遊蝶花;胡蝶花;胡蝶菫(スミレ科)花言葉は、物思い、私のことを忘れないで。ヨーロッパ原産の菫。紫、白、黄色の三色を交えた花が咲くため、この名で呼ばれる。蝶が舞うような形なので、古くは「遊蝶花」と呼ばれた。「パンジー」はフランス語のパンセ(物思い)から来た名前で、ビロードのような紫の花は、確かに物思う人の面差しに似ている。日本では日当たりのよい山野に約50種が自生る。別名「相撲取草」というのは鍵状の花を互いにひっかけて遊ぶことによる。「山路来て何やらゆかしすみれ草 芭 蕉」「菫程な小さき人に生まれたし 夏目漱石」「かたまつて薄き光の菫かな 渡辺水巴」「手にありし菫の花のいつかなし 松本たかし」「小諸なる古城摘みて濃き菫 久米三汀」「菫咲き崖にやさしき日ありけり 石塚友二」「川青く東京遠きすみれかな 五所平之助」「遊蝶花春は素朴に始まれり 水原秋桜子」「わが肺も三色菫の鉢やすし 石田波郷」「パンジーの瞳の前にきしむ椅子 岡本まち子」「すみれ束解くや光陰こぼれ落つ 鍵和田柚子」「黒土にまげるるばかり菫濃し 山口誓子」。(一夜経し 菫の花や 咲き誇れ ケイスケ)