シダレサクラ(バラ科)花言葉は、優美。桜は日本の代表的な花であり、俳句で花といえば桜のことをいう。古来の文人武人は、爛漫と咲きあふれた桜を称えるとともに、散りぎわの潔さを愛惜した。桜は日本人の心情の中に息づいて国花となった。植物学上からいえば、単に桜という植物はなく、種々の櫻の総称である。葉に先立って華麗な花を開く染井吉野「彼岸桜」は最も早く咲き、細い枝に可憐な淡紅色の小花をつける。「枝垂れ桜」「糸櫻」もこの一種である。「山桜」は、赤芽、青芽、茶芽などの輝くように萌える若葉と同時に花を開き、まことに美しい。「八重桜」は花が濃艶で、花期は一重桜より遅い。「花の雲」は、遠い桜の花が雲のように見えることをいい、「花筏」は、水面に散りしいて流れる花びらの群れを筏に見たてたものである。「花の雲鐘は上野か浅草か 松尾 芭蕉」「咲き満ちてこぼるる花もなかりけり 高浜 虚子」「山桜雪嶺天に声もなし 水原秋桜子」「空をゆく一とかたまりの花吹雪 高野素十」「花散るや瑞々しきは出羽の国 石田波郷」「まさをなる空よりしだれざくらかな 富安風生」「一花だに散らざる今の時止まれ 林 翔」「ゆで玉子むけばかがやく花曇 中村汀女」「みずからの風をはらみて初櫻 鷹羽狩行」「ときどきは死を思ひての桜狩 能村登四郎」「潮引きて鷗も遠し花の雨 秋元泉児」。(花曇 散りきわ 川をふさぐごと ケイスケ)