※※※
いつか会いに行こう
あの歌を歌う人に
いつか会いに行こう
この手の中に見えない何かを置いて
さよならした人に
風がそばを通り抜け
昨日までの匂いをどこかへ連れ去っていく
新しい匂いはほのかに甘く
鼻腔をくすぐる
目を閉じると
まぶたの中で空が光る
わたしの目に映り込む春の空
ギュッと力を入れたら
空が頭のてっぺんから足の先まで
駆け抜けていった
そうだ
まだ間に合う
今日という一日がこんなにも温かく
やさしさに満ちているということを
知っただけでも
いつか会えたら
わたしは口ずさむだろう
傍らにいる人の耳元で
今日生まれたばかりの歌を
※※※
若いときは気づかなかった
時がこんなにも早くて
朝の目覚めをありがたいと思うなんて
いつだって夜眠るなら朝は来ると思って
それが当たり前だと思っていた
若いだけで
当たり前なことなど何もないのに
生まれてここまでまるでひとりで生きてきたような
尊大な気分を抱いていた
今はわかる
どれだけ沢山の人の助けがこの身に降りかかっていたのかということを
今ならわかる
世界でわたしというものを許してくれるものがいるとしたら
親だろうと
人間というのは面白いなあ
年を経てようやく
自分もまた先を歩く人たちの思いを垣間見る
若い頃の失態を若い人に反面教師として足跡を残す
失敗は誰かのために残していい
自分の二の舞をさせないために
そう思ったら
こんな自分でも生きている意味はあるのだろうと
ちょっと思えてくる
※※※
アクリル画の一部
※※※
いつか会いに行こう
あの歌を歌う人に
いつか会いに行こう
この手の中に見えない何かを置いて
さよならした人に
風がそばを通り抜け
昨日までの匂いをどこかへ連れ去っていく
新しい匂いはほのかに甘く
鼻腔をくすぐる
目を閉じると
まぶたの中で空が光る
わたしの目に映り込む春の空
ギュッと力を入れたら
空が頭のてっぺんから足の先まで
駆け抜けていった
そうだ
まだ間に合う
今日という一日がこんなにも温かく
やさしさに満ちているということを
知っただけでも
いつか会えたら
わたしは口ずさむだろう
傍らにいる人の耳元で
今日生まれたばかりの歌を
※※※
若いときは気づかなかった
時がこんなにも早くて
朝の目覚めをありがたいと思うなんて
いつだって夜眠るなら朝は来ると思って
それが当たり前だと思っていた
若いだけで
当たり前なことなど何もないのに
生まれてここまでまるでひとりで生きてきたような
尊大な気分を抱いていた
今はわかる
どれだけ沢山の人の助けがこの身に降りかかっていたのかということを
今ならわかる
世界でわたしというものを許してくれるものがいるとしたら
親だろうと
人間というのは面白いなあ
年を経てようやく
自分もまた先を歩く人たちの思いを垣間見る
若い頃の失態を若い人に反面教師として足跡を残す
失敗は誰かのために残していい
自分の二の舞をさせないために
そう思ったら
こんな自分でも生きている意味はあるのだろうと
ちょっと思えてくる
※※※
アクリル画の一部
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