渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

当たりシャフト

2022年11月20日 | open
 

木製シャフトの最大の利点にして
最大の欠点は「個体差」だ。
天然素材なので材によりシャフト
ごとに全て性質が異なる。同種
の魚の味の違い、個体差程にそれ
ぞれが異なる。
化学製品とはその点が天然素材は
大きく異なる点だ。
ビリヤードのシャフトの場合、
個体差の格差減少にハイテク構造
はある程度寄与しているが、それ
とて天然素材である木材を使って
いる限りアタリ・ハズレが生じる。
まして、無垢木のソリッドノーマル
スタンダードシャフトなどは非常
に個体差がある。楽器と同じだ。
 
ここ20年での一番のアタリシャフト
はこれ。
音も良いが、撞球能力が極めて高い。
それとは別なファクターとして、
このシャフト個体は、どのバット
に連結しても良好な性質を見せる
事が素晴らしい。
案外、そのケースは全ての「良」
アタリシャフトには当てはまらな
い。相性の悪いバットもあるのだ。
だが、この個体はどのバットでも
いかんなく良才能を発揮する。
たまたまのアタリだが、これに
出会えたのはとてもラッキーだ
った。
 
アダムのシャフトである。
今は廃番でもう新品では手に入ら
ないノー
マルソリッドシャフトだ。

このシャフトでの撞きの例。
全部手玉を制御してコントロール
した引き玉。狙ったラインで狙っ
た分だけ手玉
を計画通りに引いて
いる。

【重い玉】

ジョイント・プロテクター入れ

2022年11月20日 | open


ジョイント・プロテクター入れ。
ティッシュ箱をカットしただけ(笑

折りたたむ。


キューケースに入れておく。
意外と便利。


足(フット)への加重と荷重

2022年11月20日 | open



ビリヤードのフォームにはいろ
いろな形(かたち)がある。
私はマイク・シーゲルのように
両膝を伸ばすフォームが基本で、
適宜膝を抜く(軽く曲げる)いあい
膝を使うフォームも取る。
だが、基本的には膝は伸ばす。


上体は下半身で支える。
その為には、足裏の使い方がとて
も重要になる。

どうやったら、下半身がどっしり
として上半身が安定するか。
練習方法がある。
日本刀を使う抜刀術を使う練達の
剣士は、滑りやすい床の上で滑り
やすい足袋を履いていても滑って
バランスを崩す事は無い。
なぜか。
体幹を鍛える体感稽古を経て、感
覚を体得しているからだ。
要諦は足裏の使い方にある。
日本武術には多様な足裏の使い方
がある。
どこに加重させるか、どこで荷重
全体を支えるか、指の使い方はど
うするのか。

家でも体験練習や感覚の掴み方は
できる。
ツルツルの滑りやすい靴下ソックス
を履いて、そして絨毯ではない床
(フローリングや滑りやすい畳)で
足を広げて行くのだ。
剣術ならば剣術の刀の構えで。
ビリヤードならばキューを持って
シュートの構えで。
広げすぎると物理的に滑って脚が
開いて行く。
その開かないエリアや開き幅、
左右の脚の位置取りを研究する。
肩幅に開いていれば滑らない。
だが、それでは剣もキューも使え
ない。
剣なら戦闘モード体勢、キューな
らシューティング体勢で脚と足裏、
足指の使い方を確かめながら研究
する。
そして、気づくだろう。
踵加重のベタ足はダメである、と。
相撲以外の武術での足裏使いでは
踵加重で足裏に荷重させる使い方
は一切無い。存在しない。
親指の下と足指をどう使うかが
重要になってくる。
日本武術をやっている人やソー
シャルダンスをする人たちがなぜ
あれほどの瞬発力ある動きの中で
も上体が崩れないのか。
それは下半身、とりわけ足裏の
使い方に長けているからだ。

足裏の使い方は日本武術の中では
古流抜刀術においては口伝(くでん)
でしかるべき弟子たちには先達た
ちが教え伝えている。
だが、剣道にしてもイアイにしても
表だってはそこまでは教えない。
剣道では紙一枚踵を浮かせる技法
の重要さは説くが、足裏使いの技
までは伝授したり指導したりはし
ていない。
だが、古流抜刀術には残っている。

それと、ビリヤードの場合は、試合
でのドレスコードがあるが、靴は
革製でないとならないとするルール
が多い。
この際、極めて重要な事がある。
ソールの規定は無いので、ラバー
ソールを選ぶ事が大切だ。
レザーソールの高級革靴であって
も、ヒールと前半部の裏底はゴム
の滑り止めパッチ(雪国で定番の
貼りパッチ)を貼るのである。
レザーソールのみの靴と足元の安
定性は雲泥の差を現出させる。
それに足裏を使う肉体的な技法を
ミックスさせるのだ。
日本武術やダンス等から身体技法
のノウハウを手に入れて、それに
ソールのグリップ性を付加させる。
上体は不必要に体制が崩れて動く
事は無くなる。


ただ、上体の動きは、何がなん
でも微動だにしないのが良いと
いう事ではないので、それは
その核心は押さえる必要がある。
弓術も斬術もそうだが、目的を
達したあとは動いても構わない
のである。物理的には。
武術の場合、その後の状況対応
(戦闘は常にコンマ秒単位で変化
するので)の為に体勢を大きく
崩さない事が必要なのだが、
能の動きのようなものが全域に
おいて必要なのではない。
例えば斬撃後やビリヤードでの
ショットでキューと手玉が離れ
た直後以降は、多少身体が動こ
うが一切目的行為に影響はない。
問題は、目的行動が終了する前
に体勢が崩れる動きが開始され
ている時だ。
これは全てにおいて良くない。
全体が動くバスケのシュート、
サッカーのキック、野球の投球
でも、全く動かない身体の部位
は存在しない。
大切な事は、目的達成以前に
体勢が崩れる動きが開始される
の良くないと認識することだ。
目的達成の為の運動の成就=身
体の必要な動き以外の無駄な動
きを捨象する事、が大切なので
ある。
全ての動きを目的達成のために
全集中させる。それ。
なので、実はビリヤードでは
ショット後に多少頭が動こうが
構わない。
問題は別な「時点」でどうである
かだ。
そこを見誤ると、ショット前も
後も頭部が微動だにしない事の
みが良い事であるかと見誤る。
そのように指導している者もいる
ので要注意だ。なぜならば、問題
の大切な部分を曇らせるからだ。
固定概念を捨てて、全域において
「論理的」に一つ一つ紐解いて
解析する事が、武術やスポーツや
仕事での技法系の事柄は大切に
なって来る。

足裏の使い方。
私たち日本人は靴文化になって
久しいが、足裏を最大に活用す
る日本武術がまだ残っている。
また、別ジャンルからの技法の
要諦は、他の分野にも参考にな
るエッセンスが詰まっている事
が多い。
それは宝であり、宝探しの旅を
する人々は、いつか宝を宝とし
て探し当てる事だろう。




チョークの使用具合

2022年11月20日 | open


昨日から本日にかけて使用した
チョークは3個を使用した。
試合などでは1個使用で、毎回
手元に置き、また席に返る時に
は持ち帰る。
しかし、稽古撞きや仲間内研究
撞きでは台のレール上に置く。
本当はルール上は台上に物を置く
のは違反となる。
そのため、選手たちは毎回服の
ポケット等にチョークをしまう。
ベストを着ていた時代のプレー
のドレスコードでは、ベストの
ポッケにチョークをしまってい
た。
今は世界大会などでもゴルフウ
エアのようなスポーツシャツに
なったので、別方法でチョーク
を保持している。
ただ、ポケット・ビリヤードは
スポーツシャツになったが、
キャロムやスヌーカーはまだフォ
ーマルウエアの紳士服でプレーし
ている。
大会にはどの種目でもビリヤード
にはドレスコードがある。服装
規定だ。
スポーツシャツになっても、ゴル
フと同じく襟付きシャツが決まり
だ。Tシャツやサンダルばきは
認められていない。
また、靴も決められている。

チョークの話に戻す。
チョークは、適正な使い方をする
と、十文字形に削れて来る。
それを次回までに表面を磨って
平にする。
外のコンクリートでこすると10秒
真っ平らになるが、コンクリが
汚れるのでチョークの面同士を
こすり合わせる事をおすすめする。

この画像の使用後チョークは、
まだこのままでタップ面に塗布
できるのでこのまま。
もう少し山と谷が深くなったら
面磨りして平にする。
穴ポコチョークは絶対にダメ。
チョークに適正な塗布が物理的
に不能だからだ。



近接戦闘キュー

2022年11月20日 | open


昨日午前中から本日01:30am
までの撞球タイムうち、3人撞き
のリングゲームで使用したキュー。
ノーラップ本ハギのローズウッド
モデル。
マスワリ専用モデル。
しかし、近接戦闘処理も極めて高
度にこなすオールマイティキュー
で、かなりの良品。
CQBキューとでも名づけたい位に。

真っ黄色だったオールドキューを
私がフルリフィニッシュした。
エンドゴムはJoss用に交換。
再塗装の際、ノーラップのバット
テーパーと太さを自分に合うよ
に削って変更した。TADに近づ
けて細くした。


昨日から本日にかけて使用した
キュー。
左がセットマッチで使用。極上
性能。
右が3人でのリングゲームで使用。
最高性能。
どちらも30数年、40数年前に作
られたオールドキューだ。


「シェリー。
ベリーオールド。
ベリードライ」
(by サラ・パッカード)
というやつ。

このキュー、左の極上キューは
1900円、右の最高キューは3000
円の入手金額だ。競売市場で。
だが、撞球性能はどちらも珠玉
の一言である。
値段は安いが中身はチープでは
なく特級品のさらに上だ。

なぜそんなに良いか。
木材自体がまるで異なるのだ。
全く違う。
これは撞いてみれば分かる。
良材が枯渇した現代、カーボン
等の新素材に良質な能力を求め
るしか方法が無くなっている。
良質な牛革一枚タップがやがて
消滅するであろう如く。
牛革の場合は、牛が居なくなっ
たのではない。タンナーが業界
から撤退したのだ。
だが、森林資源の場合、今から
復活させようとしても、あと
400年待たないと復活は望めな
い。
タップについては、そのうちエ
ボナイト等の素材のタップが世
界を席巻する事だろう。
カーボンがそうであったように。
象牙先角、革タップ、木製シャ
トは間もなく死滅するだろう。

昨日撞いた相手は20年来の知己
の撞球師で、キューの事は専門
ではないが撞球性能について
造詣が深い。
全員がソリッドスタンダード
シャフトを使う。
二人は私の二本のオールドキュ
ーを見て、とても良いと言う。
特にノーラップのハスラーキュー
のほうは、実際に撞いてみて、
これ最高!と。
で、席に戻り二人で話してる。
「あれいいね」
「うん。あれは良い」
と。
二本とも曲がりゼロ。年数を考え
ると、驚かざるを得ない。
別に半世紀以上前のキューも他に
二本あるが、それらも曲がりゼロ。
ゼロなのである。ごく僅かの曲が
りとかではない。ゼロ。
また、1983年製のランデキュー
もゼロ。1995年製TADもゼロで
ある。シャフトもバットも。
これは、実はとても驚異的な事な
のだ。

「シェリー。
ベリーオールド。
ベリードライ」
なのだ。
サラとエディの飲んだシェリーが
そうであったように、別れの乾杯
ではない真実を持つ事を祈ろう。
真実を。永遠に。
魂に光あれ。



クリア塗装

2022年11月20日 | open



クリア塗り7回目。
オールドキューのリフィニッシュ。
乾いて研いで、また塗る。
まだまだ。




全国高校サッカー選手権広島県決勝

2022年11月20日 | open



素晴らしい試合だった。
1-1同点でPK戦へ。
広島皆実高校が初出場の広島国際
学院高校を下して優勝した。


選手たちのプレーは両校ともとて
も良かった。
歴史的な名勝負として刻まれる事
だろう。

やはり、スポーツは良い。
正々堂々としている。
そして、選手は全力で戦う。
とても、人間らしい。

試刀(2018年3月31日記事再掲)

2022年11月20日 | open

 

試刀 - 渓流詩人の徒然日記

試刀 - 渓流詩人の徒然日記

刀術をきちんと修行した経験のない方があてずっぽうに真似されても非常に困るのだが、刀術者の行為のジャンルの中に、武家目利きというものがある。そのためには刀の利鈍と...

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テーパー命

2022年11月20日 | open


釣りのロッドもビリヤードキュー
のシャフトも、テーパーのデータ
が命という部分がある。
これは日本刀もそうで、法量と
呼ぶ詳細数値はとても大切で、
かつ新作刀注文の際には、正確
で優れた知見が依頼主側にも要
求される。法外な寸法を指定し
ながら重量を軽くなどという物
理的に無理な事を言うのなどは
論外。刀など注文する資格さえ
無い。また、刀鍛冶を単なる製
作従事者と見て愚弄している。
俺のフェラーリは外見を崩さず
空を飛べるようにしろ、と言う
ような事は無理なのだ。
また、1000ccのレーシングバイ
クを作れ、総重量は80kgにしろ、
職人なら依頼を受けるのがまとも
だろう、などという類は論外の
さらに外なのである。

ある撞球師のメインキューのテー
パーデータを教えて貰った。
非常に参考になった。
普通、そうしたデータは秘密事項
なので公開はしない。
ワンバットに対して4本の同製作者
のシャフトのテーパー。
それをデータ数値だけでなく、グ
ラフにまとめた物まで見せてもら
た。
とても勉強になった。
唸らされた。
一つ、その作者のキューの製作の
指針的な像がおぼろげながら見え
た。

ビリヤードキューのシャフト、と
りわけ無垢木のソリッドスタンダ
ードシャフトは、材質もあるが、
テーパーこそが命だ。


冬暁

2022年11月20日 | open






吾、思うところありて、一睡もせず。

終了

2022年11月20日 | open


ラスマス。
こういうのは普通に1番コンビで
5番を入れに行く。そしてフット
にアップ。
手玉で9も蹴って真ん中に出す。

5-9(ゴック)を撞くのはとんでも
なく久しぶりだが、本当に玉筋
が悪くなる。仲間内で言い合う
冗談で「育ちが悪い」というやつ
だ。
やはり、実際に良くないゲームだ
と痛感する。
自分でやってて何だが、玉筋がと
ても汚い。
いくらかつては5-9育ちとはいえ、
正直好きではない。
ケリーズ・プールのカス博打玉よ
りはましだが、やはり賭け玉の質
性がもろ出しになるゲームだ。
映画『ハスラー』(1961)でも出て
来たのがリングゲームというもの
で、日本では5-9とかそれを発展
させたジャパンとか呼ばれている。
ちびちびとセコくむしり取って行
ゲームだ。
映画『ハスラー』のエディでさえ
街の玉撞き場でチンピラがやる
5番1ドル9番2ドル(1961年の日本
円で360円・720円。現在価値は
約10倍)のゲームで、「こんな
まどろっこしいゲームではなく、
10ラックのマッチでどうだ?
1ゲーム10ドル(3,600円→2022
年で約36,000円)で、10ゲーム
総取りならば100ドル(36,000
円→360,000円)だ!」と言う
シーンがある。
そして、街のチンピラハスラーを
すべてリングゲーム5-9の9番落と
しのやり方で速攻で10ゲーム連取
して打ちのめす。多分10分とかか
っていない。
チンピラはびびって100ドル払っ
て逃げるのだが、店の常連客(工場
労働者風)たちに囲まれて、「本物
のプールシャーク(賭場荒らし)に
用はねえ」と両手の親指を折られ
てしまう。よくある話だ。
下手したら、殴り殺されたり射殺
されたりする。
映画『リバーランズスルーイット』
は実話だが、シカゴ大学の教授
マクリーンは若い時に天才フライ
フィッシャーだった弟を酒場の
ポーカー賭博場で亡くした。
拳銃のグリップで殴り殺されたの
だった。
ビリヤード場では、ハッスルの
詐欺行為、賭場専門家の撞球師
が身分を装ってカモる詐欺行為
=プールシャークは殺されても
文句言えないという暗黙の掟が
アメリカ合衆国にはあったし、
今もある。
詐欺かっぱぎ行為は詐取であり、
強盗行為なので、無法者は殺し
てしまえ、となるのがアメリカ
人の発想だからだ。
アメリカの民主主義意識とは、
暴力を背景に自己権益の確保
安寧を得ようとするものだ。
そのため、今でも自衛の為の銃
器保持、携帯が認められている。
「自衛」の為に武器を保持して
よい。
日本は一切法律で禁止。
これはむしろ日本が異常であり、
このシステムは新たに敗戦によ
り作られたものだ。
敗戦までは日本でも誰でも拳銃
を町の銃砲店で買えたし、刀の
登録制度なども存在しなかった。
戦後に日本の武装解除と牙抜き
の為に銃刀法は作られた。市民
の安全の為、などという大デマ
を信じきっている国民は大間抜け
だ。アメリカが日本を支配する
ために無理矢理作られたのが
日本の銃刀法なのである。
日本の警察はアメリカのポチなの
で、日本の元首相が殺されようと
も、真相を突き止めたりはしない。
真相など分かりきっているから。
真犯人と黒幕を捕まえる為には、
またアメリカ相手に開戦しない
ならない。

5-9ゲームの高得点の例としては
1ラックで16点取り=二人からだ
32点。1点100円ならば1ラック
の総取りが1ゲーム3,200円。
そういうのを延々とやる。
昔、売り出し中の来日フィリピン
人のプロプレーヤーが態度マナー
が悪く、くそ生意気なので日本の
撞球師が取り囲んで都内某所で
スボコにしたゲームも5-9だ。
リングは繋がっている。
数人撞きで裏で組まれたら手が
出ない。ボッコボコにした。
次に顔を見せた時に「この台で
撞いていけよ」と言うと首を横
に振って逃げて行った。有名な
奴だが、日本では殺される事は
ないが、本国フィリピンでは
簡単に数万で殺人を誰でも請け
負うのでブルったのだろう。
ブラジルなどは子どもさえ路地
裏ではピストルを持ってる。
サタディナイトスペシャルを。
そして、残念ながら、日本の
プロプレーヤーたちは、全員が
5-9を日常的にやっていたのが
2000年代初頭までの実態だった。
つまり、日本のプロはバクチ打ち
だったのである。
ごく普通に店舗経営者もプロも
「賭け玉をやらないと上手くな
らない」などと世迷言の大タワケ
を当たり前の事であるかのように
言っていた。
『ハスラー』を観ていないのか。
あるいは、観ても理解できない
バカタレなのか。
「残忍なローマ兵」にはならな
いでとサラが願って、失望して
自殺してまで訴えた意味さえ解
っていない。
映画『道頓堀川』では、武内は
息子に言う。「玉撞きはバクチ
や。バクチは己だけやのうて、
周りの者みんな地獄に連れて行
くんや。だからやめいと言っと
るのが分からんのか」と。
バクチは金こそが一番という物
だ。人の尊厳や命など二の次に
なる。バクチは人を人ではなく
する。
だが、つい最近まで日本のプロ
はこれだったのだ。実態が。


金を賭けてなくとも、種目が種目
なのでリングゲームの5-9は玉筋
がとても汚くなる。
コンビ、キャノン、バンク、空コ、
スリークッション、マッセ、ハード
ドロー、押し抜き…。
どんな玉使ってでも5と9を落とし
に行く。台上にある限り何度も。
目的は点数稼ぎだ。ひと玉が玉
ではなく金なのだ。1球が50円
だったり100円だったり、その
4倍、8倍だったりする。たった
1個の玉が。極めて扇情的であり
猥褻だ。ひとつの玉が玉として
不動の価値ではなく、可変して
人間の欲を煽り立てる仕組みに
仕組まれている。ゲームの存在
そのものが汚い。まるでシステム
そのものが詐欺のようなものだ。
マスワリ以外では平玉順取りなど
しない。マスワリでもできる限り
5と9を途中でサイドに入れに行く。
そして台上に戻して、また得点を
重ねる。ワンラックで。

もうですね。
好きではないゲームです。
金を賭けずとも自分でやってて
言うのは何だけど。
心がどんどん濁って行く。
目的は種目の勝負ではなく、
搾り取る事だからだ。
規定ラック先取り勝負は剣道の
三本勝負のようなものだが、
リングゲームは1ラック1点では
なく、いくらでも点数が可変加
算する事がルール上可能なゲー
ムだ。

結局、リングゲームというのは
バクチであり、スポーツとして
正式なビリヤードの種目になら
ない背景が、今更ながらよく分
かりました。
ピン倒しみたいなもん。
5-9、ジャパンの類はスポーツ
たり得ない。
やってもスポーツの持つ清冽な
精神は宿らない。
つまり、人はやらないほうが良い。
人の大切な何かを失う。
そうした性質がゲーム自体に存在
する種目だ。これは物理的に。