渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

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2020年10月13日 | open
 


なぜ今まで私は野外活動で便利な
ガス
ストーブ等を使わなかった
のかなあと、
ぼんやりと考えて
た。
アルコールストーブさえ使い始め
たのは
ここ10年以内だ。
 
重要なことを忘れていたのに気づ
いた。
私はブッシュクラフターだったのだ。
だから長年薪しか使わなかった。
私はキャンパーではなく、ブッシュ
クラ
フターだったのだ。何十年も。
 
それゆえ、知人に誘われて公園
野外メシ
を二人でやった時も、
ズラーッと並べら
れた「自慢
の道具」を見せられた時に、
果てしない違和感があったのだ。
その次に私が今度は同人を連れて
行った
のは、担ぎによる徒歩
(かち)での森林メシ
だ。
ブッシュクラフトである。炉は
現地で作
る。うちの山に連れて
行った。
刃物で薪を割りフェザーを作り、
直火で
火を熾す。
キャンパーの知人は途中でもう
限界との
ことで予定を変更し
て下山して帰投する
ことに
た。車が入れない山だ。
「自慢の道具」の装備が多
すぎて、
疲労困ぱいで歩け
なくなったのだ。私が彼の
装備も担いでようやく下山した。
私は刃物、火口、最小限の食器と
食材と
塩と水を水筒に2ℓという
最低限の装備しか
持たない
軽装だ。
重たい銃や弾薬(これが重い)さえ
無いの
だから楽ちんこの上ない。
だが、各種ロープや刃物数種類と
エマージェン
シーキットは欠かさ
ない。
色濃く志向の方向性の違いによる
結果が
出た。
 
私はキャンパーではない。
ブッシュクラフターなのだ。
だが、キャンプツーリングをやる
となると
そうも言ってられない。
直火禁止の場所での宿泊も想
定しなければならない
からだ。
昔はどこでも直火OKだったので、
キャンツー
でもバーナーなどは
携帯しなかった。
今は時代が違うようだ。
 
だが、「自慢の道具」を増やして
重量が嵩む
ことは、それは愚で
はなかろうかという自己
問答以前
に、道具頼りは何か大切なも
を忘却しそうであるという
危険
の匂いを動物的に私は
察知する。
自分の指標を見誤らないように
落ち着き
が必要だ。
自分はバーベキューやファミリー
キャンプ
やグランピングを個人
山行きではやるつも
りは全く
無いからだ。
二輪での旅行きとブッシュクラ
フトの
融合、その方法を目指し
たい。
どうやれば、どこまでシンプル
かつ最大
なものを得られるか。
ミニマムでマキシマムなのが
ブッシュ
クラフトの根元部分で
あるので、そこを
見失わない
ようにしたい。
ギア集めをするつもりはない。
メーカー
の新製品にも全く興味
はない。
必要最小限の装備と創意工夫
で最大の
森林活動を成す
ブッシュクラフトはそれだ。
何十年も昔の道具を当たり前の
ように
現役で使う。
ブッシュクラフトはそれだ。
ブッシュクラフトに流行は存在
しない。
また、流行を作ってはならない。
それゆえ、道具頼りや道具の数
頼りでは
ない人間力というスキル
を磨かないとなら
ないのが、いわ
ゆるブッシュクラフトであって、
便利
や利便性を第一義とし始め
ると、ブッシュ
クラフトが与え
てくれる最重要な「教え」
そのものを見失う。
 
森での活動から何を学ぶか。
それは、決して都会的利便性を
森で実現
させることからは得ら
れない。
それだけは確信的に断言できる。
 
 

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