『コードネームU.N.C.L.E.』
(2015年/英米合作)
1960年初期の冷戦時代が舞台の
スパイ映画。
1965年から放送のアメリカの大
人気ドラマの映画リメイク版。
主人公はアメリカ合衆国のナポ
レオン・ソロとソ連のイリヤ・
クリヤキンだ。
それがチームを組む。
1960年代には現実にはあり得ない
設定だが、それゆえか1965年当時
には人気を博した。
この2015年の映画作品も何度観て
もかなり面白い。
服装や車両がかなりリアルだ。
これは結構大変だと思う。
1965年当時はその頃の現代劇で
良かったのだから、そのような
時代考証は必要ない。
だが、50年後に表現しようとす
ると、ほんの数年ずれても妙な事
になる。
例えば邦画の『おっぱいバレー』
で1970年代中期を舞台としてい
るのに公衆電話で1960年代の全面
塞がれた丸穴ボックスが出て来た
りとか。スバル360や60年代初期
の車が街中を走っていたりとか。
それは南北戦争映画でピースメー
カーが出てくるようなもので❌だ。
時代物を製作する時は、かなり厳密
な時代考証をしないと頓珍漢な映像
になってしまう。
本作は、キザな0011ソロと真面目
なイリヤというキャラが巧みに演じ
られている。
久しぶりに観たが、やはり面白い。
ベスパでソロが夜の街に出て来る
意味はあったのか?とは思うが(笑
こちら半世紀以上前のアメリカの
ドラマ版。
ロバート・ボーンのソロがロジャー・
ムーアの007みたいにキザ(笑
ピストルに拡張機能を持たせる
外装を着けるのは当時としては
画期的だが、SF的で現実離れし
てもいた。
だが、今では、こうした拡張機能
はごく一般的なスタンダードとな
っている。
典型は、オートモデルに懐中電灯
や光学サイトを搭載するシステム
ガンだ。
空想活劇の登場アイテムが現実に
なる。
こういう事は案外多かったりする。
小松左京の作品「日本沈没」での
解析視点は登場当時まだ学術界で
も一般的ではなかったプレートテ
クトニクスに着目しており、他に
もその着想と視点は修士論文並み
とさえまで言われていた。
日本沈没は不知であるが、月は確
実に毎日地球から遠ざかっている。