渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ドラマ『シマロン』(1967)

2023年04月24日 | open

Classic TV Theme: Cimarron Strip (Stuart Whitman)
ドローンさえ存在しない1967年。
どうやってこの撮影したのだと
思いますか?
ヘリだとしたら最初は真横から

なので地面に接地しそうな超
低空で馬と並走飛行という事
になる。それから上昇しても
カメラがずっと捉えている、と
いう。
今はドローンで簡単にできます
が、1967年当時はかなりの飛行
と撮影のプロフェッショナルで
ないと撮影不能です。
日本ではこうした映像製作は
無理だったでしょう。アメリカ
ならでは。
この映像を小学生の時に初めて

見た時は衝撃的だった。、

アメリカの人気ドラマの『シマ
ロン』(1967)は1972年に日本で
放送された。
1880年代、オクラホマ。
インディアン居留地とシマロン
の町の境界の「シマロン・スト
リップ」で起きるさまざまな事件
や出来事を連邦保安官のジム・
ウンが解決して行く西部劇ドラマ。
もう、ウエスタン好きのガキど
に大人気だった。みんな観てた。

連邦保安官を演じるスチュアート・
ホイットマンが使うSAAは7-1/2
インチ銃身モデルだった。通称
キャバルリー。1873年に米軍に
採用が決まったコルト・シングル・
アクション・アーミー=SAAだ。


ただ、当時は日本だけでなく米国
でも一番人気があったSAAは5-1/2
インチ銃身モデルのピースメーカー
だった。日本でもそれが大人気。
私が好んだのは4-3/4インチモデル
だった。当時はそれ好みは少な
かっ
た。
今でこそ、米国でもカウボーイ
シューティングが人気が出て、
SAAといえば4-3/4インチバレル
が標準であるかのような風潮が
できた。
日本でもSAAならば短銃身、と
いうような風潮が出来上がって
いる。
しかし、1960年代~70年代初期

は4-3/4インチバレルのSAAより
も5-1/2インチバレルのSAAのほう
が圧倒的な人気だったという歴史
事実がある。

西部劇に出て来るタイプも、殆ど
が5.5インチモデルだった。
日本の大人気西部劇漫画『荒野の

少年イサム』(1971~1973)でも
出て来る銃は全部5-1/2インチ
銃身のSAAだった。

私が好きだったこれを好む人は
コアな早撃ちマニアくらいのもの
だっ
た。ごく少数。


ハリウッド映画でも、早撃ち役
が持つ銃は短銃身のこれだった
が、それは静かな演出とされて
いた。『いとしのクレメンタイン
(荒野の決闘)』(1946)など
でも、そのような特別なガンマン
を表現する演出として短銃身の
SAAが登場していた。
4-3/4銃身のSAAが一般化するの
1980年代以降の事だ。
ただ、厳密にいうと、ピース
メー
カーという俗称は、歴史的
には
ある米国の販売代理店が
販売戦略で商品につけたニック

ネームであり、.45ロングコルト
弾を使うモデルにつけられた
呼称
だ。
一番西部開拓で流通したSAAは
実は.44-40弾使用のSAAだった。
これは西部を征服した銃とも呼
ばれたウィンチェスターM73
ライフルと弾薬が同じだった。
そのSAAが一番普及した。
それは販売店ネームではコルト
シックスシューター44-40と
呼ばれていた。通称シビリアン。
.44口径が一番実際の歴史では
大西部では流通した弾薬口径だ
った。
だが、アメリカ人はライフルと
弾薬の互換性が無くとも、.45
口径に思いを寄せる。一発で
対象をノックアウトできる強力
弾として。
アメリカ人の.45口径への執心は
他の国の人間には理解し難い。
そして、ギターでもマーティン
などは最高機種に45というナン
バーを与えたりもした。
「45」はアメリカ人の感性を
代表する数字だといえる。
それはあたかも忌避された「13」
の対極にあるような数字として。

でも私は.44-40弾の4-3/4インチ
のコルトSAAが好きなのさ。


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