![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/08/dd070118804d436f350fee137b4fa926.jpg)
はい、では書いてみましょう。えぇ、せっかくですから
。うわー、長くなりませんように・・・(笑)。
昨日、「およそピアノ」などと、その時はわりと適当に書いたつもりが、改めて考えてみますと、なかなか的を得た表現だったのでは![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_hohoemi.gif)
、と思っちゃったりしました。以下、その理由も含めて、出来るだけ簡単に、簡潔に(笑)、を心掛けて書いてみます。あ、写真は昨日のをご覧になって下さいね。
『およそピアノ』
一番下の一番大きな鍵盤です。僕のセットのメイン鍵盤です。カワイ楽器のMP9000とうものです。グランドピアノと同じく、88鍵盤あります。鍵盤もプラスティックではなくて、木製鍵盤です。ピアノ弦を打鍵するグランドピアノのアクションも、かなり似せて採用されていて(弦は張ってありませんが)、中でちゃんとハンマーが動いています。なので、鍵盤はそれなりに重たいんですよ。でもよく出来ていまして、木で出来た鍵盤の適度なしなり具合と相まって、とっても弾き心地が良いので、慣れてしまうと逆に軽い鍵盤を弾いているよりも疲れないんですよね。僕は特にバラードなどで、そっと弾いた時などのこのピアノ表現力が大好きで、これを知ってからは・・・他の機種が使えなくなっちゃってます(家では同じ音がするMP9500を使っています。これはもう一段階、鍵盤が重たいです(笑))。
というわけで、MP9000は基本的に「グランドピアノ」みたいな(←本物ではないので、あくまで、みたいな)音が出ます。
それから、曲によっては、このMP9000でエレクトリックピアノの音を出しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/87/847085984e8976ac2d0910433ef0c2b2.jpg)
これは、レコーディング時のものですが、この左側のものが「エレクトリックピアノ」通称、「エレピ」というものの、代表的な機種「フェンダーローズ」です。60年以上前に開発されたものです。弦の変わりに、鉄琴のような金属の板を叩いて発音します。弾き方はグランドピアノに近いですが、コロコロとした、丸みのある音がします。古くからそこらじゅうで使われているので、聴けば「ああ、あの音か」、とお分かりになると思います。
種類もいくつかあるのですが、僕はMP9000から、曲によってこのようなエレピの音も何種類か出しているんです。
グランドピアノとエレピの音を出しているので・・・「およそピアノ」というわけでした
。
『だいたいオルガン』
真ん中の木枠の鍵盤です。コルグという日本のメーカーのNewCX-3とういう機種です。これは上の写真の右側にある「ハモンドオルガン」という、これまた古いオルガンを真似て作られたものです。ちなみにハモンドオルガンは、70年以上前に、元々パイプオルガンの代用品として開発され、パイプオルガンを買えない小さな教会などで使われていたものです。アメリカの教会音楽でありますゴスペルには欠かせない楽器の一つです。その後、あらゆる音楽で使われるようになり、特にロックでキーボードと言ったら、もう絶対といって良いほど登場する楽器です。和音で弾いて音に厚みをつけたり、歪ませてドライブ感を表現したりします。単音でフレーズやソロを弾くこともあります。
ただ、本物のハモンドオルガンは高いだけでなく(2百万円くらいします)、巨大で重たいですし、運搬やメンテナンスにも大変気を使います。なのでレコーディングでは使えても、ステージでは・・・ね。なので、このようなモデリング(模倣)したものを使ってるんですね。
ちなみに、昨日の写真では右奥にちらっと角だけ映ってますが、オルガンには専用の特殊なスピーカーを使います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/4a/68347cdb773821fd31bc719c997a2f92.jpg)
それがこの実に家具調のですね(笑)、「レズリースピーカー」というもので、「回転スピーカー」「ロータリー・スピーカー」、などとも言われています。真ん中のフタがしてある部分に、上向き(高音用)と下向き(低音用)に2つのスピーカーが入っていまして、僕がCX-3を弾きますと、そのスピーカーが上下にあるプロペラに向けて音を出すんです。プロペラはグルグル回転しています。扇風機向かって、「アー」って言うようなものですが、そのグルグル回ってうねった音(ドップラー効果)をマイクで拾う、という仕組みになっています。元々は、教会の部屋鳴り、共鳴を再現させるための製品だったんですが、その後、オルガンを弾く時の表現方法の一つとして定着しております。
僕の左の足元に、この回転をコントロールするスイッチがありまして、それを踏むことで、「うわ~~ん、うわ~~ん」という「スロー」と、「わんわんわんわんっ!」という「ファースト」を切り替えています。決まりはありませんので、自分で気持ちよいところで切り替えます。この「スロー」「ファースト」の切り替えが、オルガンを弾く時には、表現の大切な要素になってきます![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ikari.gif)
。一回のツアーで皮靴の底に穴が開いたというほど(実話です)踏み倒していたこともありますが、最近は少し気をつけています。靴も勿体無いし、さすがにスイッチも壊れるので(笑)。
あのね、レズリースピーカー無しでオルガンだけ弾くと、ものすごーく味気ないんですよー(笑)。なので、オルガンにはこの家具調のスピーカーが必需品なのです。ちなみに、写真のものは、僕が18年ほど前、まだアマチュアの頃に手に入れてずっと使っている自前のものです。その後もう一台買ったんですが、そちらはちょっとキレイな音になってしまうので、結局この古い方を大切に使っています。大きいので、ステージでは皆さんから見えない、ステージ袖にセッティングされてしまうことも多いです。
で、これも本物のハモンドではないので、「だいたいオルガン」ということで
(笑)。
『言ってみればシンセ』
一番上の鍵盤は、シンセサイザーです。僕は今回の旅ではコルグの「TRITON Extreme」を持って行きます。音を合成(シンセサイズ)する楽器、という意味です。ただ、最近のものは、合成だけでなく、例えばギターの音や、ドラムの音などをそのまま録音し、マイクロチップ(←とはもはや言わないけど)に大量に保存してあって、好きな時に、色んな音が出るようにもなっています。音色の種類はこれ一台の中だけでも、数千種類入っています。僕はこれで、ピアノやオルガンでは出せない音を出しています
。
さらに最近のものは、シンセ機能に加えて、サンプラー機能(まぁ録音機能みたいなものです。例えば声をシンセに入れて、それを鍵盤で音程を付けて弾けたりする)や、シーケンサー機能(自動演奏機能、みたいなものです。超判り易く言えば、ですが)なども付いています。こうなるともう純粋なシンセとも言えず、これ一台で音楽の大部分を作ることも可能、という意味で「オール・イン・ワン・シンセ」などと言われているものの一台です。でも、便利なので最低でも一台は無くちゃ困るのですよ。
一台で何千種類もの音が出せると言っても、色々な音色を同時に使わなければならない事もよくあります![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_keibetsu.gif)
。機種によって、音に個性もあります。なので、シンセを何台も並べたりすることもあるんです。当然、台数も増えていきます。ASIA(エイジア)というバンドが昔来日した時に、23台のキーボードをステージの端から端までずらーっと並べて、キーボーディストはその前を走って行ったり来たりしながら演奏してました。これは極端な例ですけれど(笑)。
『これぞ本物のシンセ』
さて、昨日のでは奥でぼやけていましたが、今日はアップのものを載せました。1970年に発売されて、12年間で1万2千台が作られた、ビンテージ・キーボードです。これにはですね、もう、これにしか出せない音があるんです。似たような音はいくらでも作れますが、絶対にこの独特の温かみのある、ファジーな音は出ないんです。なので、たとえば一曲で、とか一箇所で、しか使わなかったとしても、代用品がありません。そんな楽器なんです
。
これについては、2002年に僕が前にやっていたバンドのHPで書いた文章がありましたので、これをそのまま転載します。少々疲れてきましたので
(笑)。
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「僕はMOOG社のMINIMOOGというシンセサイザーが大好きです。シンセの中では一番好きです。「ミニムーグ」、と呼ぶのが一般的な呼び方ですが、わりと最近、開発者のRobert A.Moog博士が「私の名前はムーグでなく、モーグ、と発音します」と言ったのをきっかけに、通の間では「ミニモーグ」と呼ばれることになりました。とても古く、勿論もう作っていません。
30年以上前に当時のサラリーマンの月給の5倍近い金額で売られた、シンセサイザーの一つの原型であり、それでいて完成形。
全てアナログの回路を使用、そしてモノフォニック(同時に1つの音しか出ない=和音が出ない。)、古い家具のような木枠に納まった、なんともノスタルジックなシンセサイザーです。ピッチが恐ろしく不安定で、たぶんギターよりも頻繁なチューニングを必要とします。鍵盤楽器なのに、常時チューナーを繋いでいないと、正確なピッチが出せません。僕がライブ中によく、弾きもしないのにこのMINIMOOGをいじっているのは、とにかくチューニングをしているんです。しかも慣れていてもなかなか難しいので、それなりに時間がかかります。でも、その手間を惜しんで20分も放っておくと、とんでもないピッチになってしまうんですね。そうすると、いざ使いたいときに合わせるのが大変なんですよね。
何故、そんな大変な楽器を使っているのかって?…音が、素晴らしく、気持ちいいんです。自分で弾いていて言うのもアレですが、感動的なほどに。そう、僕にとっての究極の鍵盤楽器の一つなんです。重たくて、壊れやすくて、そのくせ汎用性が全然なくて。でも、「音楽を作る音」がするんです。今時のデジタルシンセなんて、その足元にも及ばないんです。中古で手に入れて10年以上経った今でも、この楽器を弾いているときの感動は、薄れるどころか、増すばかりのようです。
でも、ちゃんとチューニングしてあげたつもりでも、いざ!という時にご機嫌ナナメだったりも、するんですよ。ま、そこがまた、いいんですけど。2002/08/26」
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実は昨年初頭の大規模メンテナンスで、ピッチ問題は完璧に解決しております。現在はもの凄く安定しております。なんだか気持ち悪いくらいに(笑)。でもほんと、このムーグは、一生ものです。大好き
。
・・・はい、そんなわけで、とりあえず以上です。お疲れ様でしたー![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hakushu.gif)
。
書こうと思ったら、それぞれについて、この10倍位は色々書けますが、まぁこんなところでやめときましょう(笑)。皆さんも大変でしょうし
(笑)。
・・・5台目?あの奥の小さな?あぁ、あれは『音は出さないシンセ』なんです。いや、それなりに意味はあるんですけど、皆さんが会場であのシンセの音を聴くことはないと思います(笑)。実はあれは、
・・・汗拭き用シンセなんですよ。
うそですよ(笑)
。
さて、旅では僕同様、この子達もよろしくお願いしますね![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_yoka.gif)
(←どうよろしくしたらいいんだか。ねー(笑))。
うわー、やっぱり長くなった(笑)。
ではー。