【奈良市あやめ池で、クリスマスローズ200株が満開】
クリスマスローズが咲き誇る奈良市の民家でこのほど2日間にわたって「ガーデン・オープン・チャリティ」(個人庭園一般公開)が行われた。〝庭園福祉活動〟という言葉をそのとき初めて知った。庭を有料で公開し、寄付金を福祉に役立ててもらう。英国で古くから行われ定着しているイベントで、それが日本をはじめ各国に広がっているようだ。
今回一般公開されたのは近鉄あやめ池駅から程近いあやめ池北3丁目の西川順子さん宅。ハンギング・バスケット教室を主宰しているというだけあって、玄関周りにもパンジーをはじめ色とりどりの花が飾られていた。入り口で寄付金(観覧料)500円を払って時計回りで庭を1周した。鉢植えやハンギングのクリスマスローズが所狭しと並ぶ。その数、約200株。ムスカリをコケで高く仕立てた珍しい鉢植えも。観覧者にはハーブティーのサービスもあった。
公開は今回で4年目。庭園福祉活動を展開している「N.G.Sジャパン」に協力する形で始めた。寄付金は特定非営利活動(NPO)法人「国境なき子どもたち」を通じて東日本大震災への義援金となる。ティーコーナーには西川さん宅の一般公開による活動報告書が貼られていた。それによると寄付合計金額は過去3年間で16万5780円に上る。今年は4月27日にも公開の予定で、その頃にはスイセンやチューリップなど珍しい原種の花も観賞できるはずという。
庭を自由に観賞してもらうオープン・ガーデンは、英国で1927年「ナショナル・ガーデン・スキーム(NGS)」という団体ができてから英国内各地で行われてきた。年間3700以上の庭園が毎年公開されているという。いつ・どこで・どんな庭が公開されるかを紹介した専門のガイドブックまで発行されているそうだ。