【「ハリマツリ」「タイワンレンギョウ」の別名も】
クマツヅラ科デュランタ属(ハリマツリ属)の熱帯花木。デュランタの仲間には中南米を中心に30種ほどあるが、日本でデュランタという場合、「デュランタ・エレクタ(レペンスとも)」という種を指すことが多い。原産地はメキシコから西インド諸島、ブラジルにかけて。日本には明治時代の中頃に入ってきたという。
属名のデュランタは16世紀の植物学者でローマ法王の侍医だったカストール・デュランテスの名前に因む。和名は「ハリマツリ(針茉莉、玻璃茉莉)」。頭の「針」はデュランタの仲間に、枝に小さな棘があることから。「タイワンレンギョウ(台湾連翹)」という呼び名もある。
花期は6~10月頃と長い。日本で人気があってよく見掛けるのは「デュランタ・タカラヅカ(宝塚)」という園芸品種。濃い青紫色の花びらの周りに白い縁取りが入る。名付け親は静岡県磐田市の鉢花生産者「ジッポー」。青紫に白の覆輪花が、正装した袴姿のタカラジェンヌを思い起こさせるとして命名したそうだ。
花色は青紫や藤色が中心だが、白花もあり「白組(アルバ)」などの商品名で流通している。「来夢(ライム)」は葉の色が明るい黄緑色で、観葉植物としても人気。デュランタは元々常緑だが、日本では多くの地域で秋~冬に落葉する。ただ沖縄など年中暖かい地方では常緑で、生垣としてもよく使われる。