く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ハクサンイチゲ(白山一華)> 夏山のお花畑を彩る代表的な高山植物

2015年08月13日 | 花の四季

【イチリンソウ属、花は1本の茎に3~5個ほど】

 キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で、北半球の温帯の高山や亜寒帯に広く分布する。日本では本州中部以北と北海道の高山に自生し、7~8月ごろ、白花で一面を覆ってお花畑をつくり出す。田中澄江著『新・花の百名山』では浅間高原(群馬県)を代表する花としてハクサンイチゲをヒメシャジンとともに挙げている。

 草丈は20~40cmほど。茎の先に3~5本の花柄を伸ばして白い花を付ける。花径は3~4cm。花びらのように見えるのは実は萼片(がくへん)が変化したもの。キンポウゲ科の多くの植物と同様に花弁は退化して無い。萼片の枚数は5枚から7枚ぐらい。ハクサンは白山(石川県)に因み、この地で最初に発見されたことによる。

 イチゲは「一華」または「一花」で、1本の花茎に1つの花を付けるということ。イチリンソウ属のイチリンソウやヒメイチゲ、エゾイチゲ、アズマイチゲ、キクザキイチゲなどはいずれも「一花」。同属には1つの茎に2~3個の花を付けるニリンソウやサンリンソウもある。そしてハクサンイチゲは数個。ハクサンイチゲのイチゲはただイチリンソウ属の仲間であることを示すために付けられたのだろうか。

 中にはまれに花色が緑色がかったものも。「ミドリハクサンイチゲ」と呼ばれるもので、萼片の〝先祖返り〟ともいわれる。ハクサンイチゲの変種にシコク(四国)イチゲやエゾノ(蝦夷の)ハクサンイチゲ。大きな群落として知られるのは大雪山、焼石岳、鳥海山、飯豊山、月山、谷川岳、白馬岳、乗鞍岳など。「霧疾(はや)くはくさんいちげひた靡(なび)き」(水原秋櫻子)。(写真は愛知県のS・Eさん提供、木曽駒ケ岳千畳敷カールで)

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