【メキシコ原産、〝セルフクリーニング〟で花がら取り不要】
キク科の春まき1年草。メキシコなど中央アメリカ原産で、日本で出回り始めたのは1990年頃と比較的新しい。このため和名はまだなく、属名「Melampodium」の音読からメランポディウムやメランポデューム、メランポジウムなどと表記されている。
メランポディウムはラテン語で「黒い足」を意味する。仲間の中に太くて黒い直根を持つ種が含まれることによる。草丈は20~80cmだが、日本で多く栽培され流通しているのは「メランポディウム・パルドスム」種の園芸品種で、草丈は20~40cmと低い。鮮やかな黄花の「ミリオンゴールド」や淡い黄色の「ミリオンレモン」などがある。
高温多湿に強く土質を選ばない。丈夫で育てやすく花を多く付けることから、各地の公園の花壇などで見かけることが増えてきた。花径は2~3cmほどの小輪で、一見ヒマワリの超小型版といったところ。種まきから2カ月程度で咲き始め、よく分枝して晩秋の11月頃まで次々と咲き続ける。
最近ジニア(百日草)やインパチェンスの園芸品種などが、花がら取りが不要な〝セルフクリーニングの花〟として注目を集めている。このメランポディウムもその一つ。セルフクリーニングといえば、光触媒の作用により水や雨で汚れを洗い流すガラスや外壁用塗装材などで知られる。植物の世界では花が終わると自らポロリと落ちたり、次々に開花して終わった花を覆い隠したりして美しい花姿を保つことを指す。