く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<オオカワヂシャ(大川萵苣)> 用水路などに生える帰化植物

2020年05月04日 | 花の四季

【特定外来生物、小花はオオイヌノフグリに似た淡紫色】

 オオバコ科(旧ゴマノハグサ科)クワガタソウ属の多年性の帰化植物。原産地はヨーロッパ~アジア北部だが、今では南北アメリカやアフリカなど世界各地に広く分布する。日本への侵入時期は不明。ただ最初の標本は約150年前の1867年に神奈川県で採取されたそうだ。草丈は30~100cmほどで、用水路や川岸などで見かけることが増えてきた。晩春から夏にかけ、穂状の花序に径5mmほどの一見オオイヌノフグリにそっくりな淡い紫色の小花をたくさん付ける。

 名前は日本在来植物で川辺に生える近縁種カワヂシャによく似て、全体的に大型であることによる。カワヂシャはレタスの仲間のチシャ(キク科)に似ており若葉はおひたしや胡麻和えなどとして食べられる。オオカワヂシャは葉の鋸歯が目立たずほとんど凹凸のない全縁であること、花色がカワヂシャに比べるとやや濃く、花の中心から放射状に伸びる青い条線模様も鮮明といった違いがある。学名は「Veronica anagallis-aquatica(ヴェロニカ・アナガリス-アクアティカ)」。属名はキリスト教の聖者ヴェロニカに因み、種小名のアクアティカは「水生の」を意味する。

 繁殖力が旺盛なオオカワヂシャは各地で在来のカワヂシャを駆逐する勢い。両者が混在する場所では花序が細長い「ホナガカワヂシャ」と呼ばれる交雑種も生まれている。このため環境省は2006年、外来生物法に基づいてオオカワヂシャを〝特定外来生物〟に指定、栽培や販売を厳しく禁じている。一方、減少傾向のカワヂシャについてはレッドデータブックで準絶滅危惧種に指定しており、都道府県段階でも絶滅危惧種または準絶滅危惧種に指定しているところが多い。

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