【花弁5枚と萼片5枚が同じ色と形!】
南米のボリビア原産のトケイソウ科トケイソウ属の常緑蔓性植物。トケイソウ属には中南米の熱帯・亜熱帯地域を中心に世界で500種以上もある。これらを掛け合わせた栽培品種も数多い。属名「Passiflora(パッシフローラ)」は「キリストの受難の花」を意味する。独特な花の構造を十字架や磔に使われた釘、10人の使徒などに見立てた。
種小名の「miniata(ミニアタ)」は「朱色の」「赤くなる」を意味する。その学名が示すように、鮮やかな赤い大輪の花を付けるのが特徴。10枚の花弁でできているように見えるが、うち5枚は萼が変化したもので、萼片も花弁とほぼ同じ色と形になっている。同じ種小名を持つ植物にクンシラン(クリヴィア・ミニアタ)やサルビア・ミニアタ(別名ベリーズセージ)などがある。
和名のトケイソウはトケイソウ属の植物の総称だが、狭義では白い花弁・萼片と放射状に広がる青い糸状の副花冠が美しい「P.caerulea(カエルレア)」を指す。3つに分かれた雌しべの柱頭を時計の長針・短針・秒針に、副花冠を文字盤に見立ててトケイソウと名付けられた。ミニアタ種はそのカエルレア種ほど特徴が鮮明ではないが、その分、花弁・萼片の燃えるような赤色が際立つ。赤色系にはほかにコッキネア種(ベニバナトケイソウ)やラセモサ種(ホザキトケイソウ)などがある。