「自分より貴い神が????」と思われたアマテラスは、石屋戸の隙間から見えたピッカと光り輝くものが目に入ります。どのような姿・形をしているのかさえ分かりません。どうもおかしい、自分より「貴神」ですから。せめて、そのお姿だけでも見たいものと思われ、
”稍戸出而”
石屋の戸をあけて外に少しばかりお出になられたのです。その時です、石屋戸の傍に隠れていた手力男神が
「アマテラス様。御手をどうぞ」
と、その御手をしっかりと取って、更に、数歩石屋戸より離れます。それを見ていた布刀玉命<フトタマノミコト>は、素早く、
“尻久米縄<シリクメナワ>”
しめ縄(左縄です)をアマテラスの後ろにある石屋戸の前に張り巡らせ、アマテラスに云います。
”従此以内不得還入<ココヨリウチニ ナカヘリ イリマシソ>’
「もう二度と、ここから内にはお入りにならないようにお願いします。」 「不得還入」の[得]は、宣長は[復]だとしております。再び、お戻りになりませんようにとお願いしています。その手は、依然として、ヤサ男神である天手力男神<アマノタジカラオノカミ>がしっかりと握って離しはしません。昨日も書いたのですが、此の男神は、決して、石屋戸を引っ張り開けるような力強い男神ではありません。アマテラスの御手を優しく取って、決して、離しはしない柔らかで、しかも、力強い手だったのです。念のためにもう一度?????
こうなったなら、もうアマテラスは、再び、天石屋の中には入ることはできません。大勢の神によって戸は閉ざされ、そして、その石屋戸の前には尻久米縄が張られております。
それから以後は、再び、高天原と葦原中国には
“稍戸出而<オノズカラ テリアカリキ>”