スサノヲは神々から高天原を
”神夜良比夜良比<カムヤラヒヤラヒ>”
追放されますが、その道中で、更に、大宜津比売神の事件も引き起こしております。そこでも、荒神の心が立ち起ります。そして、再度、神産巣日神からも、その場から立ち退かされます。それを
“所避追而<ヤラハエテ>”
と書いてあります。
この同じ<ヤラ>でも、その内容から考えてみると、大きな違いがあるように私には思えるのです。「避追」は「早くこの地から離れなさい」と、優しく諭されてからの事だと思われます。それは、それまでの人々の生活手段を激変させる要因「稲種」を作る原因になったのがスサノヲだからです。ある程度の同情的な思いがこの神の心にあったための処置ではなかったのでしょうか。それが、「神夜良比」という、スサノヲの種々な悪行にたいする強制的な追放ではなく、この「避追」という文字に現れています。「早くこの場から立ち去りなさい。どうぞ道中に気をつけられてね。」というくらいの軽い気持ちの現れた「納得させる。言い聞かせる」というくらいの言葉がふさわしいような処罰ではなかったかと思われますが、どうでしょうかね?????だから、この後の道往きでは何も事が起きてはいません。無事に肥ノ国に到着出来ているのです。