私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

木堂の色紙です

2019-05-16 08:50:15 | 日記
    

「木堂七十八叟」とありますから、死の直前に起きた五・十五事件の昭和七年に揮毫されたものです。
 此処に書かれている「慈」に付いてですが、庭瀬にある木堂記念館に展示されている沢山の資料の中に、孫娘に宛てた物の中に、この字があります。木堂はこの字を大変好んでよく使っていたということが分かる資料ですが・・・

 私の持っている色紙にある「慈悲」と云う言葉も又木堂の好きな字であったのではないかと思われます。

 今日はこの「慈悲」に付いて少々考えてみたいと思います。
 まず、かってあの五木寛之さんはあの親鸞のお話の中で、次の様に、この慈悲を説明されておられますので、それから紹介しておきます。(大変長いお話なので2,3回に分けて)
 

 “仏教には「慈悲」と云う言葉があります。「慈」とは励ましであり、ヒューウマニズムであり、希望であり、明るく、近代的でなじみやすい。しかし、「悲」は慰めであり、思わず知らず発するため息、うめきのような感情であり、本能的で、古めかしく、前近代的だとして、戦後の日本は目をそむけ、排除してきたのではないか。
 慈と悲は一対のものであり、自分を励ますことも大事だが、悲しみに向き合い、ちゃんと泣いた経験がなければ、腹の底から笑えない。「悲」の感情をきちんと受け止めことが大切です。”

 と。