企業が農業参入に関心を持ち始めています。
鹿児島県及び市町村が遊休農地の活用のために、企業の農業参入化の動きを積極的に進め ています。
先月末、セブン&アイ・ホールディングスが千葉県で農業生産法人を設立し農業に参入。との記事が日経に掲載された。企業の農業部門への参入が話題になっている。
企業等が農地を使った経営には、農地法に基づく「農業生産法人」を設立するか、既存の法人のまま「農地リース制度」を活用する方法があるとのこと。
鹿児島県によると、今年の3月現在で、93社が農業に参入し、内、農地のリース方式では、7市町村において延べ33企業が農業に参入し、全国最多とのこと。
9月1日に、鹿児島市で開催された「農業参入推進研修会」に当協会会員企業で農業に関心の高い大阪の企業3社と参加しました。 県の農業参入時の留意点と支援制度の後、企業3者が注目した「参入企業2社の体験談」が発表されました。
事例1は、大口市での建設業者のサツマイモ、かぼちゃ、そば等の「農地のリース方式」での参入事例。
整備前の農地(藤井建設) 整備した農地(藤井建設)
事例2は、西之表市の建設業者の「サツマイモ特区」によるサツマイモ、ジャガイモ生産・加工での参入事例。
作付された畑地(西田工業) サツマイモのトレミング(西田工業)
両事例はいずれも現在赤字経営とのこと。公共事業の激減による「従業員の雇用維持」「経営の多角化」による生き残りが参入の理由とのことであったが、異分野への参入が簡単なものでは無く、色々な課題を抱えて、悪戦苦闘されている様子が発表された。
ただ、いずれの社長も、遊休農地の復活、環境の改善、社員はもちろん、地域住民の雇用等による地域貢献など、農業参入のメリットを体感され、まだまだ前向きに取り組んで行かれる姿勢を示されたのには、共感を覚えました。
現在、鹿児島に進出されている企業の中には、製造業を経営しながら、恵まれた自然環境の中で、鶏や豚を飼育し、野菜等を生産され、従業員や県外のお客さん等へ配布、あるいは一部出荷されているところもある。趣味の延長上での農業ではなく、農業事業部門を一つの独立した経営の柱にとなると、農業技術や採算性等の面で、まだまだいくつかの課題があるようです。
ただ、農業県の鹿児島の農業に企業の優れた企業経営感覚での農業の参入が進むと、今後の鹿児島の発展・飛躍の可能性も秘めていると思われる。県や市町村の企業の農業参入の受入態勢の更なる拡充や、成功事例等細かな情報発信、既存農業者との連携・協働などのネットワークの形成等が更に進むことが期待される。
かごしま企業家交流協会
◇ http:// www.kagoshima-kigyouka.com