人体標本の技術を活かし医療用模型製造で成長
京都市の『京都科学」の「選択と集中」を実施し、09年度のグッドカンパニー大賞受賞
京都市の伏見区にある「㈱京都化学」(代表取締役社長 片山 保)。島津製作所で学校向けなどに人体模型や動物の剥製などを制作していた標本部が起源であったが、1948年に京都科学に独立し、人体模型の製作技術を応用し、仏像をはじめ文化財の複製技術を確立、工芸部を設置して80年には修復技術に進出し、国宝や重要文化財などの修復や複製を手がけてきた。
それが、今では医者や看護師の教育現場で利用される衣料用シュミレーターだそうだ。会社売上げの8割近くを医療関連でしめているとのこと。更には、04年には、米ロサンゼルス事務所を開設し、海外進出も本格化させ、10年5月期には、海外売上高が14%に達している。
この会社の成長の主因は、「顧客のニーズを地道に汲み取る姿勢」だったそうだ。不採算の事業を整理する一方で、成長が見込める事業に経営資源を集中する「選択と集中」を行い、現場のニーズを地道に把握し、独自の技術力で付加価値を打ち出す姿勢を欠かさない。
この京都科学のように、現場のニーズを的確に把握し、自社の持つ「技術を横展開」して、生き残る展開こそ、今の時代の中小企業の活きたモデルではないだろうか。
かごしま企業家交流協会
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