中国ではEVの普及が国策となっている。
EVの市場規模は既に15万台、日本の数千台をはるかに超える。
中国での電動車両の販売は2010年で約15万台で、今後も10の都市で1,000台の電動車両を導入する「十城千両」という政策を掲げ、バスやタクシーなどから普及を進める考えだそうだ。
今年、11月に中国氏深せん市で開催された[EVS25(電気自動車・電池の国際見本市)では、350社がブースを構え、220のEVが展示したとのこと。特に、コンセプトカーではなく、既に、販売、販売が決まっているEVが大量に出展、日本のトヨタやGM,独フォルクスワーゲンなどの海外勢も大きなブースを構えたが、BYDを中心に中国勢が圧倒的な存在感を見せたと報道されている。
特に、海外からのEVS参加者を驚かせたのは、BYDのような世界的に知名度がなくても、既にEVの販売実績を持つメーカーがたくさんあるとのこと。
びっくりするのは価格だ。例えば、01年に天津市で創業し、電動スクーターや電動自転車、ゴルフカートを販売している比徳文氏のEV「ココ」は、ガソリン車のバッテリーなどに使われる鉛電池を使って価格は約29万円。最高速度は時速50km、1回充電当たりの航続距離は120km、リチウムイオン電池搭載EVより短いが、都市内移動に問題はないそうだ。09年に4種類のEV1,200台を販売している。また、自動車部品大手の万得工業集団(遼寧省)が、来年から販売するEVは、鉛電池で、最高時速65km、航続距離110km、価格は約37万円で、3年後に10万台を販売する計画をしているそうだ。
中国人の90%は、都市内生活者で、1日に多くても60kmしか移動しない。同社は、送電大手と共同で、都市内の充電インフラを整えていく計画だそうだ。そうなると、中国では、今後もこの安いEVが爆発的に売れていく可能性がある。
今後、これらの安いEV(2人乗り四輪)の性能面や安全性の面は分からないが、中国での鉛電池によるこのような低価格のEVの販売次第では、高品質EVを目指す日本、世界のEVの販売メーカーにとって、大きな脅威となるのではないだろうか。今後ともこの中国の鉛電池の低価格EVの動きから目が話せない。
かごしま企業家交流協会
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