3月4日の『朝日』に、普天間移設問題に関しての元米国防副次官のインタビューが載っていました。この人は以前、辺野古沖の代替施設建設合意に米国側代表として関わった人物ですが、なんとインタビューで「辺野古以外なら海兵隊の撤退もありうる」と語っているのです。まあこれは「そうなると米軍は日本から手を退くぞ。日本はそれでもいいのか」という「脅し」のような意味で言っているようなのですが、詳しいインタビュー内容はコチラにあります。でもこれを読んだ時、「なあーんだ、ああ、はいはい、それで結構ですよ。ええ、ええ、ぜひそうしてください」と、まさにこちらの望む通りのことではないか、意見が一致したじゃないか!と思ったのですね。
政府内であがっているキャンプシュワ沖案なんて、そもそもアメリカは望んでいないし、名護市も全会一致でその案に反対の意見書を上げたし、また鳩山政権の右往左往が来週には見えてきそうなのですが、なにかホントに国民世論と米国の間に立ってどうしようもない姿を晒しているという気がします。
それから、このインタビュー読んでて思ったのすが、なんとも迫力に欠ける編集委員さんの質問かと。天下の『朝日』がこれですから、ほかのマスコミの沖縄問題での記者さんたちの問題意識ってどうなんやろうかと心配してしまいますね。
「普天間基地は沖縄にはいらない、日本のほかの地域にも移さない、だから撤退してもらうしかない」となぜ言えないんでしょうか? それが実に不思議です。言っちゃえば気が楽になりますよ。きっと!
そんな時、高文研からおもしろい本が出版されました。コチラの本です。(他社の本ですが宣伝します)その核心の内容についてはすでに以前から宜野湾市長などは市のHPでも主張しておられたのですが、要は、「米軍はずっと以前から、沖縄の普天間基地の海兵隊を含む軍隊の多くをグアムに移転するつもりでことを運んでいる。知ってか、知らないでかはわからないが、なぜか日本政府も日本のマスコミもこのことには全く触れない。宜野湾市長が政府にそのことを話しても相手にしない。こんな大事な基本的なことが国民に知らされずに、日本政府がとっている行動は何とも不思議な行動だ」ということでしょうか。
なんともまあ、あきれた話です。米軍にすれば、グアム移転の費用は日本持ちだし、あわよくば辺野古に高性能の基地ができればなおラッキー、ダメで元々、沖縄から撤退すれば日本はたいへんなことになるといろいろ言っておけば言うことを聞いてくれるだろう。でもダメでもいいんだよ。だって米軍のこれからの世界戦略を考えたらそれはそんなに大きな問題じゃないよ…という本音が見えてくるんです。
なんか完璧に馬鹿にされている日本政府といった印象ですね。