奈良大好き☆お勉強日記

奈良大学文学部文化財歴史学科(通信教育部)卒&奈良まほろばソムリエ検定のソムリエを取得したヒトの色々な勉強の日記です♪

七夕は興福寺へ

2015年08月10日 | 色々・モシクハお勉強
2015年7月7日(火)

七夕といえば全国的には「笹の葉さーらさらぁ♪」だけど、
奈良に限って言えば、アレの日である。

その第一弾(?)が「興福寺三重塔開扉」

これが一日限定の日付限定の行事なので、なかなかご縁が無かったのだけど。
とりあえず今年は行けそう…てか、行くぜ!ってことで、行ってみました。

興福寺三重塔は現在の興福寺の伽藍の中で一番古い建物。
康治2年(1143)崇徳天皇の中宮の発願による建立されるも、
治承4年(1180)の南都焼き討ちにより焼失し、
現在立っている塔が間もなく再建されたんだとか。

興福寺五重塔が現存する塔のうち、日本で二番目に高い塔
(一番は東寺の五重塔)であるのに対して、
三重塔は高さ19.1mってことは、ちっちゃい塔として有名な
室生寺の五重塔(16m強)とどっこいの高さ。
ちょいとマイナーな場所にあるけど、国宝ですから~☆

普段は開いてない三重塔の初層が7月7日だけ開扉するってんで、
その日に行きたいなって思うものの、日付限定公開なもんで。
なかなかスケジュールが合わず。
今年どうにかこうに都合がついたって感じです。

しかし、本日は雨。
とりあえず出かけてみたものの、雨ですから。
どうなる公開?!

恐る恐る三重塔方面へ来てみたら、係員さんがカッパ着て来場者対応しているし、
法要参加者用のテントも張ってあったので、どうやら公開はされる様子。


正面前テントは人で一杯
(普段以上に写真がお粗末ですが、雨&腕が悪いということでご勘弁を)

三重塔は拝観料無料でした♪
おおう、ふとっぱら~。
小さな拝観券を頂いて、柵の中へ入ります。

柵の外から眺めたことはあっても、柵の中ははじめて。
塔に近づくことも滅多に無いので、とりあえず一周してみます。

塔の東面に弁財天像が祀られており、その弁天様のナムナム日が本日。
初層の東面は薬師、南は釈迦、西は阿弥陀、北は弥勒の
それぞれ像が描かれているんだそうですが、
なかなか暗くて中まではよく見えません。

くるっと一周まわってから、正面の弁天様のお顔を拝してナムナムナム。

雨降ってますので、テント下は満席。
私は塔の南面で扉が開いている場所でたって法要を見守ることにしました。


南面は坊様がいらしてお経をあげる様子が見られました

午後十時から法要が始まり、結構長い事お経をあげておりました。
途中散華が塔内でまかれ、散華マニアのわたくしは食指がピクピク。
とりあえず法要中は我慢がまん。

法要終了後は一列になって、弁天様のまん前でナムナムする列ができました。


法要終了後、西面は雨のため(?)閉じられてしまいました


まかれた散華がそのままになってる

再度周囲をくるっと一周してきて、最後に気になっていた散華のことを係の人に聞いてみる。
「今回まいた散華って分けていただけませんか?」
と聞いたら、「ちょっと判らないので…」ってことで頂けませんでした(T_T)
残念!


法要後はお参りの人が行列

私も一応、法要の前にナムナムしているのだけど、
今一度お顔を拝しようとして参拝の列に並びました。
で、写真が撮れないもんだから、弁天様のお姿を刷った像を購入することに。


弁天さんの御影

私ははじめてみたもんですから、ちょっと興奮。
弁財天さんのお姿は興福寺のサイトで拝めますよ。

この弁才天さまが三重塔におこしになったのはつい最近。
いつかといえば、明治時代(笑)
だって~奈良の歴史からいえば、明治なんて、昨日の今日みたいなもんで。

廃仏毀釈によりすったもんだがあった後で、
興福寺塔頭の世尊院におられたものが、こちらにお祀りされたそうな。

で。
興福寺に何故弁才天かっていうと。
弘法大師が南円堂の無事の完成を祈って、天川村の弁財天に参籠されたんだそうで。
そこで感得したのが宇賀弁財天。
ということで、この宇賀弁財天が興福寺に勧請されたんだとか。

宇賀といえば宇賀神(うがしん)。
宇賀神といえば、蛇の身で、顔が人間という姿で、
トグロを巻いた形をしているもの。
ご近所でいえば、喜光寺に祀られているお姿が有名。

そして、宇賀神は延暦寺で天台宗の教学に取り入れられて、
仏教の神(天)である弁才天と習合あるいは合体して、ああなったんだとか。
なるほど、そういえば喜光寺で宇賀神がいらっしゃるのは弁天堂だわ。

宇賀神は弁才天の頭に乗っかっていることも多い。
喜光寺の弁天堂の宇賀神は、爺さん顔の蛇がトグロを巻いたお姿で、
弁天像の後にお祀りされているものですが、
興福寺三重塔の弁財天さまは、まさにそのとおりの、弁天様の頭に蛇なお姿です。
なるほどー。

そしてこの弁才天さんは「窪弁才天」というのだけど、何故そう呼ばれるのかというと…。


この地域は昔、窪地の場所であったため、窪の弁才天と呼ばれるようになったそうです。

…だそうで。

三重塔の北(柵の外)に何やら石の石造物があって、覗き込んでいる人がいたので、
自分も見に行ってみると、「窪弁才天」の文字。
おおお、それだ~。
ここは旧塔頭の世尊院があった場所なんですって。
(こんな狭い空間に建物があったん?)


世尊院の跡(窪弁才天の文字の石柱)

ということで、正面(東面)の扉の両脇には
「窪弁財天」の文字の赤提灯がかかっておるのでした。


雨の日の三重塔開扉でした

法要は午前10時から1時間ほどですが、
開扉自体はは午前9時~午後4時までですので、
法要の時間に間に合わなくても、この日に行けば弁才天さんには会えます。

とりあえず、参加してみたぞ~ってことで、
他の伽藍は素通り(笑)


興福寺はドローンお断りです!

東向き通りに下ってきたら、笹の葉に短冊が下げられており、
おお、そうだったそうだった、今日は七夕。
しかし、この天気では残念だわね
>彦星と織姫には。


セツジツな願い事もありました★

しかし、七夕の行事はまだまだあるのである。
ってことで一路、吉野を目指します。

(つづく)
コメント (2)
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