新見公立短期大学地域福祉学科の「英語」では、学生たちが将来、介護福祉士として介護の対象となる高齢者が生きてこられた時代を知るため、古い英語の教科書を読み、教科書から見えるその時代を感じてもらっています。
今年も、僕の祖母が女学校時代に使っていたGirls' Model Readersを使って授業をしています。
しかし、平成生まれの学生たちに、大正時代のことをイメージしてもらうのは少し難しいので(昭和生まれの僕ももちろん大正時代は直接は知りません)、イメージを捉えてもらうため、先日の授業では大正時代を舞台にした映画『はいからさんが通る』を観てもらいました。
若き日の南野陽子さんが主演のこの映画、とても昭和の雰囲気が漂っています。
今活躍中の俳優さんたちの若い頃の姿も見れて、その意味でも楽しめます。
学生たちの感想コメントには次のようなものが見られました。
・一定身分の話で、大正時代のすべてが分からなかったのが残念でした。軍人さんが活躍している時代であることは分かりました。
・いいなずけなどといった風習が私の周りにはないので不思議な感じだった。大正時代のことについてもっと知りたいと思った。
・大正時代とか昭和頃は結婚相手が親によって決まっていたり、戦争などの体験があったりと大変だったと思うし、強いなと思いました。
・戦争があった時代がどのようなものか知ることができました。この時代は生死に関わる戦争で数多くの犠牲が出たと思います。しかし、その中を生き抜いた高齢者はとても強くすごいと思いました。そのことを理解して、これから先、関わっていけたらいいなと思います。
・着物や人力車などすごく和風だけれど、ドレスや家などは洋風な所もあっていろんな文化がまざっていたんだと思いました。
・人々が着ている衣装や言葉づかいが今と違っていることは明らかですが、福祉的な所に目を向けて気になったのは「車いす」です。何度も出てきたけれど今現在のものとほとんど変わらないことにおどろきました。
・大正時代の事が少しでも知れたのでよかったです。
・大正時代は現代と比べて、戦争があり、家のしきたりや恋愛に対しても家同士が決めるということを知ることができました。
・大正時代はまだ男女差別があったのだと思いました。
・大正を舞台にした映画をみたことがあまりありませんが、この映画でなんとなくですが、どのような時代で今とはどう違うのかがわかりました。
・時代が古くて意味が理解できるかなと思っていたけど、話の内容が面白くて観ていてとても楽しかったし、感動しました。
・国からの出兵命令によって、たくさんの人が命を落とすこともあったんだなあと思うと、とても辛い時代だなあと感じました。出兵して、行方がわからなくなると、生死確認も出来ないなんて、家族はとてもかわいそうでした。
・あの教会がくずれたのはなんでって思った。
・人力車や絵描きが道端で商売してたり、今では考えられないようなことがたくさんあって驚いた。
・昭和の映画なのでおもしろいかな?と思いましたがとてもおもしろく見入ってしまいました。
・大正時代にこういった生活を送ってきた人がいるかもしれないので、そういった意味では勉強になりました。
・許嫁や軍人との結婚など今では考えられないようなことで、現代の大正時代の違いを感じました。
・大正時代の歴史や文化が勉強になりました。服も和服の人と洋服の人といて、時代の変り目には外国の文化も入ってきていたということも分かりました。
・大正はあんな感じだったのかなとなんとなく雰囲気がつかめたかなと思います。
・大正の時代には結婚に対して身分の違いなどがまだ影響していた時代だったことが分かりました。結婚に対してだけでなく男女差別みたいなものも残っていることを知りました。
・この映画に出てくる女性を見ると、この時代の服装や化粧などといった身だしなみも今とはぜんぜん違うということがわかるし、現代とは違い、女性は家、男性は軍人いわゆる外で働くという考えがあったということがわかる。その中でも、主演女優が映画の中で「これからの時代は女性が男性を選ぶ時代よ」というセリフがあったので、男が上、女が下という考えから、少しずつ男女平等になりつつあるということもうかがえる。
・私も1番大好きな人と結ばれたいので自分の心の鏡をみがいて、すてきな人と結婚したいです。
・大正後期の時代背景が分かる映画でした。和装や洋装の人がいたりして、時代が和装から洋装へ変わっていく時代だったんだなということが分かりました。
・昔の人の暮らしや状況を伺える所が多々ありました。また、当時どのような環境だとかを知ることができました。
・大正時代は、まだまだ女性の立場が低いことが、特にわかりました。
なんとなくではありますが、大正時代のイメージがつかめたようでよかったです。
また、古い映画を見ても共感できるかどうか分からないという気持ちが一部の学生たちにあることがわかりました。これに対しては、人間の本質的なものは時代によってそんなに変わるものではないので、たとえモノクロの映画であっても古い映画でも共感を覚えることは多いのでぜひ見てほしいこと、特に地域福祉学科の学生は将来高齢者を相手に仕事をすることが多くなるので、高齢者が若い頃に見られた映画を観ておくことは共通の話題づくりという点からも意味があることを話しました。
『はいからさんが通る』では、最後のシーンに大地震が起こります。
それが関東大震災であったことを紹介し、関東大震災の被害状況を、この度の東日本大震災の被害状況と比較をしながら提示しました。
ちなみに、この地震が起きたときに震源地神奈川県の隣の静岡県に住んでいた僕の祖母は、当時豆腐屋に下宿をしていました。その豆腐屋の豆腐を入れた水が揺れていた様を、僕が子どもの頃、聞かせてもらったことがありました。
大正時代の教科書を使うこの内容の授業については、昨年、日本英学史学会の全国大会で研究発表を行いました。
以下は、その関連ページです。
よろしければお読みください(↓)。
日本英学史学会第47回全国大会での研究発表
日本英学史学会第47回全国大会で研究発表を行なう
今年も、僕の祖母が女学校時代に使っていたGirls' Model Readersを使って授業をしています。
しかし、平成生まれの学生たちに、大正時代のことをイメージしてもらうのは少し難しいので(昭和生まれの僕ももちろん大正時代は直接は知りません)、イメージを捉えてもらうため、先日の授業では大正時代を舞台にした映画『はいからさんが通る』を観てもらいました。
若き日の南野陽子さんが主演のこの映画、とても昭和の雰囲気が漂っています。
今活躍中の俳優さんたちの若い頃の姿も見れて、その意味でも楽しめます。
学生たちの感想コメントには次のようなものが見られました。
・一定身分の話で、大正時代のすべてが分からなかったのが残念でした。軍人さんが活躍している時代であることは分かりました。
・いいなずけなどといった風習が私の周りにはないので不思議な感じだった。大正時代のことについてもっと知りたいと思った。
・大正時代とか昭和頃は結婚相手が親によって決まっていたり、戦争などの体験があったりと大変だったと思うし、強いなと思いました。
・戦争があった時代がどのようなものか知ることができました。この時代は生死に関わる戦争で数多くの犠牲が出たと思います。しかし、その中を生き抜いた高齢者はとても強くすごいと思いました。そのことを理解して、これから先、関わっていけたらいいなと思います。
・着物や人力車などすごく和風だけれど、ドレスや家などは洋風な所もあっていろんな文化がまざっていたんだと思いました。
・人々が着ている衣装や言葉づかいが今と違っていることは明らかですが、福祉的な所に目を向けて気になったのは「車いす」です。何度も出てきたけれど今現在のものとほとんど変わらないことにおどろきました。
・大正時代の事が少しでも知れたのでよかったです。
・大正時代は現代と比べて、戦争があり、家のしきたりや恋愛に対しても家同士が決めるということを知ることができました。
・大正時代はまだ男女差別があったのだと思いました。
・大正を舞台にした映画をみたことがあまりありませんが、この映画でなんとなくですが、どのような時代で今とはどう違うのかがわかりました。
・時代が古くて意味が理解できるかなと思っていたけど、話の内容が面白くて観ていてとても楽しかったし、感動しました。
・国からの出兵命令によって、たくさんの人が命を落とすこともあったんだなあと思うと、とても辛い時代だなあと感じました。出兵して、行方がわからなくなると、生死確認も出来ないなんて、家族はとてもかわいそうでした。
・あの教会がくずれたのはなんでって思った。
・人力車や絵描きが道端で商売してたり、今では考えられないようなことがたくさんあって驚いた。
・昭和の映画なのでおもしろいかな?と思いましたがとてもおもしろく見入ってしまいました。
・大正時代にこういった生活を送ってきた人がいるかもしれないので、そういった意味では勉強になりました。
・許嫁や軍人との結婚など今では考えられないようなことで、現代の大正時代の違いを感じました。
・大正時代の歴史や文化が勉強になりました。服も和服の人と洋服の人といて、時代の変り目には外国の文化も入ってきていたということも分かりました。
・大正はあんな感じだったのかなとなんとなく雰囲気がつかめたかなと思います。
・大正の時代には結婚に対して身分の違いなどがまだ影響していた時代だったことが分かりました。結婚に対してだけでなく男女差別みたいなものも残っていることを知りました。
・この映画に出てくる女性を見ると、この時代の服装や化粧などといった身だしなみも今とはぜんぜん違うということがわかるし、現代とは違い、女性は家、男性は軍人いわゆる外で働くという考えがあったということがわかる。その中でも、主演女優が映画の中で「これからの時代は女性が男性を選ぶ時代よ」というセリフがあったので、男が上、女が下という考えから、少しずつ男女平等になりつつあるということもうかがえる。
・私も1番大好きな人と結ばれたいので自分の心の鏡をみがいて、すてきな人と結婚したいです。
・大正後期の時代背景が分かる映画でした。和装や洋装の人がいたりして、時代が和装から洋装へ変わっていく時代だったんだなということが分かりました。
・昔の人の暮らしや状況を伺える所が多々ありました。また、当時どのような環境だとかを知ることができました。
・大正時代は、まだまだ女性の立場が低いことが、特にわかりました。
なんとなくではありますが、大正時代のイメージがつかめたようでよかったです。
また、古い映画を見ても共感できるかどうか分からないという気持ちが一部の学生たちにあることがわかりました。これに対しては、人間の本質的なものは時代によってそんなに変わるものではないので、たとえモノクロの映画であっても古い映画でも共感を覚えることは多いのでぜひ見てほしいこと、特に地域福祉学科の学生は将来高齢者を相手に仕事をすることが多くなるので、高齢者が若い頃に見られた映画を観ておくことは共通の話題づくりという点からも意味があることを話しました。
『はいからさんが通る』では、最後のシーンに大地震が起こります。
それが関東大震災であったことを紹介し、関東大震災の被害状況を、この度の東日本大震災の被害状況と比較をしながら提示しました。
ちなみに、この地震が起きたときに震源地神奈川県の隣の静岡県に住んでいた僕の祖母は、当時豆腐屋に下宿をしていました。その豆腐屋の豆腐を入れた水が揺れていた様を、僕が子どもの頃、聞かせてもらったことがありました。
大正時代の教科書を使うこの内容の授業については、昨年、日本英学史学会の全国大会で研究発表を行いました。
以下は、その関連ページです。
よろしければお読みください(↓)。
日本英学史学会第47回全国大会での研究発表
日本英学史学会第47回全国大会で研究発表を行なう