2015年2月14日(土)、おおさ総合センターで映画『新しき民』の上映会と新春対談が開催されました(
おおさ総合センターで開催の新春対談のお知らせ(2015年2月14日))。
当日は、対談の打ち合わせ等であまり協力できませんでしたが、一応、実行委員会のスタッフの一員でした。
映画『新しき民』は、昨年の12月27日に鑑賞して以来、2度目でした
(
勝山文化往来館ひしおで映画『新しき民』鑑賞(2014年12月27日)参照)。
一度目では難しかったところも、二度目であることと、書籍『美作の風』(
読書案内:今井絵美子『美作の風』(ハルキ文庫, 2012))で背景知識を得たことで、一度目よりもわかる部分が増えました。
山崎監督の映画は、自分の感覚や知識などを総動員して見なければなりません。
ジグソーパズルに例えると、ばらばらだったピースが少しくっつけることができ始めたかなという段階です。
まだまだ完成(完全理解)には、時間がかかりそうです。
ちょうど不運にホールのエアコンに故障が発生し、かなり寒い中での鑑賞となりました。
でも、寒そうな雪のシーンも多かったので、その意味ではぴったりでした。
映画上映会に続いて、対談が行われました。

これらの写真は、スタッフのお一人、松原さんよりいただきました。
自己紹介では、まず、旧大佐町時代から現新見市まで、姉妹都市ニューパルツ・ヴィレッジとの交流に関わっていること、現在、地域活動として新見英語サロンを開催していることなどを話しました。
それぞれの活動について述べる段では、自分の専門である英語や国際交流を活かして地域に貢献しているととらえられるが、実は、私が地域に貢献しているということだけではなく、この活動をすることにより、自分自身の勉強になっていることを述べました。
例えば、英語教員である私にとって、通訳を行う場面というのは、通常の授業では限られますが、国際交流に関わることにより、必然的に通訳の場が生まれます。
ですから、私自身の持っているものを地域に還元することにより、実は、私自身も勉強の場を与えられているということになるのです。
大学教員というものは、それぞれの専門を持っています。
学内の仕事も忙しいので、必ずしも学外の活動までする余裕がない場合もありますが、それでも、地域の方々に頼られたら、私たち教員も役に立ちたいと思っています。
そのような意味で、「公立」大学・短期大学の私たち教員を地域の方々には上手に「利用」していただきたいと思っています。
そのような旨のお話もしました。
時間がたっぷりあるわけではなかったので、そこらあたりで話を止めましたが、本当は、大学教員だけではなくて、いろいろなことに秀でている市民もたくさんいらっしゃるので、そのような方々を上手に「活用」し、活躍してもらうことにより、何らかの意味での地域の盛り上がりができるのではないでしょうか、などということも具体例を挙げつつ言いたかったところでした。
それから、『新しき民』に関連して2冊の書籍を紹介しました。
一つは、『新しき民』で描かれている山中一揆が描かれている『美作の風』、そしてもう一冊は、私の研究するジョン・スタインベックの
In Dubious Battle(『疑わしき戦い』)でした。
In Dubious Battleでは、リンゴ農家たちのストライキの様子が描かれます。
山中一揆とは時代も場所も違いますが、比較すると興味深いと思われます。
(ちなみに『疑わしき戦い』(邦題がどうなるかわかりませんが)、今度映画化されました。)
フロアから大佐公民館の舩越館長から集客についての質問をいただきました。
新見英語サロンは集客について必ずしもうまくいっているわけではありません。
英語や国際交流に興味のある市民や学生、そしてALTを含む外国出身者の交流の場として確かに機能はしていますが、多くの人が集うという場にはなっていません。
また、大学のキャンパス内で開催している割には、学生たちの参加が少ないのが、僕の永遠の課題です。
授業や実習やアルバイトなどで忙しい学生たちをどのように参加させるかは、とても難しいことです。
でも、何かのきっかけで、英語サロンに来てくれるようになった学生は大切にしたいと思っています。
学生たちは、新見の地で在学期間の4年間または2年間を過ごすわけですが、その間に、いろいろな「きっかけ」があります。
ある人にとっては、それが学外団体であるかもしれませんし、アルバイトであるかもしれません。学校での勉強から何かに目覚める人もいるでしょうし、とにかく学生の人生に影響を与えるような「きっかけ」がいくつもあるのです。
新見英語サロンがその「きっかけ」の一つになれたらいいと思っています。
今回の質問に対しては、そこまで踏み行っては答えていませんが、学生の集客に苦労しているが、学生の海外研修報告の時などには友達が来てくれたり、ALTのプレゼンテーションの時にも何かのきっかけで仲良くなった学生ガ来てくれることもあります、というようなことを答えました。
それから、もう一つ回答したことは、いつも来てくださる常連たちを大切にするということです。
ちょうど、新見英語サロンの常連の木曽田さんが対談を聞きに来てくださっていたので、ご紹介しつつ答えました。
大佐地域には、国際交流に長くかかわっていたことから親しくさせていただいている方もたくさんいます。
今回は、久し振りにお会いする方々も含めて、知り合いが客席に多く、新春対談のテーマ通り「笑顔と元気」で頑張れました。
終了後は、スタッフの方々により用意されたカレーをいただきました。
お世話になった方々、ご来場いただいた方々、そして一緒に対談をさせていただいた方々、ありがとうございました。