「ワタシ
トモダチの
恋
の
はじまり
と
終わり
が
見えちゃうんですよ」
ムスメほどの
年回り
の
常連のオンナノコ
は
そう
云った
「えっっ?!
どんなふうに!?」
年甲斐も無く
身を乗り出して
聴いてみると
恋するヒト
は
虹色みたいな
キラキラ
オーラ
を
纏っているそうな
はたまた
恋が終焉を迎える
と
それは
透明な水
に
包まれているかのよに
なるそうだ
・・スゴイね
「極々
近しいヒトでしか
それは
感じないんですけどね」
と
コーヒーカップ
を
覗き込みながら
話す
カノジョに
おそるおそる
聴いてみた
「ワタシは
何色に見える?」
考え込むでもなく
カノジョは
云った
「淡いベージュかな
光の中に
いるみたいな」
そ、そうか・・
虹でも
水でも
無く
光か・・
きっと
カノジョにとって
ワタシは
母。でも
女。でも
ない
存在。
なんだろうな
ひどく
疲れた時
や
ひとり。になりたい時
に
訪れてくれているみたい
だから
個体。ではなく
存在。として
いて欲しいんだろうね
リラックスした表情で
店を出て行く
カノジョの
ちいさな背中は
たしかに
しっかりとした
輪郭で
包まれていた
其処に
色を
見い出す才能を
ワタシは
持ち合わせていない
けれど
意志ある縁取り。
を
持つヒトは
たしかに
わかる気がする
これから
カノジョの纏うであろう
色
は
何色か
とても
興味深いけれど
何よりも
輝き。を
生涯
纏っていけるよう
オンナ。
を
全うして欲しいな
そして
青い風。
のような
日々
を
過ごしてね
まだ見ぬ
何色かを
纏った
運命のヒト
と
ね